白内障の薬物療法

白内障の薬物療法で一般的に使われるのが点眼薬(目薬)です。点眼薬治療の目的は白内障を治すことではなく症状の進行を抑制することです。一般的には、まだ手術の必要がない白内障患者に処方されます。

点眼薬治療の効果は人によって差がありますが、即効性が期待されるものではないので長期的に使用する必要があります。

症状の進行度合いによっては、手術治療に切り替えるのが望ましいケースもあるので定期的に医師の診察を受け、状態を確認しながら使用します。

今のところ白内障の治療法として確実なのは濁ってしまった水晶体を取り出して人工レンズに入れ替える手術療法です。しかし、薬学の最前線では、薬の力で水晶体の濁りを解消する研究が進められていて、動物実験では既に一定の効果が確認されています。

そこで今一番注目されているのはラノステロールという物質です。このラノステロールは私達の体内にも存在しているステロイドの一種です。

水晶体は無色透明ですが、実はタンパク質が規則的に集合することによってできています。そのタンパク質の集合が規則性を失い凝集したものが濁りの正体です。

ラノステロールには水晶体の濁りの原因となるタンパク質の凝集を減少させる働きがあるとみられています。

白内障の手術療法

白内障手術は数ある手術の中でも「最も安全な手術」といわれており、日本では年間140万件も実施されています。

とはいえ、白内障は進行がゆるやかなので、発症したからすぐに手術が必要というわけではありません。

手術療法で一番重要になるのが、手術に踏み切るタイミングです。水晶体の老化は加齢とともに進行し続けるので白内障患者の方は、必ず手術を実施するかどうかという問題にぶつかることになります。

実は、白内障の手術は症状がどこまで進行したら手術をするべきかという基準がありません。あくまで患者さん自身が判断して決めるのです。

一昔前の白内障手術といえば、水晶体全摘出手術でしたが、全摘出をするには眼球を半分ちかく切開しなければなりません。そのため麻酔注射も3本ほど打ちます。その痛さに、もう一方の目は手術を諦める人もいました。

最新の手術療法は、乳化吸引術といって、傷口も小さく麻酔注射を打つ必要もなく、点眼(目薬)による局所麻酔だけで手術することができ、術中の痛みもほとんどありません。

白内障レンズの長所と短所

単焦点レンズ 多焦点レンズ 焦点拡張型レンズ
見え方の質がよい 若干くっきり感に欠ける
ハロー・グレアが起こる
暗いところで見えにくい
単焦点レンズに近い見え方
ピントは1箇所 ピントは2~3箇所 広い範囲にピントが合う
眼鏡は頻繁に必要 眼鏡はあまり使わない 近いところが若干見えにくい
健康保険が適用 費用が高額 費用が高額

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