日本人の20人に1人は緑内障

一昔前まで、緑内障になると失明すると恐れられていましたが、現代では治療法が進歩し、早期発見と的確な治療を受ければ病気の進行を止めることが可能になりました。とはいえ、今でも日本人の視覚障害の約3割が緑内障で、毎年2000人近くの方が緑内障によって視力を失っており、怖い病気であることに変わりはありません。

40歳以上の日本人の20人に1人、70歳以上では10人に1人が緑内障であるという結果も報告されています。緑内障も成人型の病気であり、加齢が最大の発症リスクです。

緑内障は視神経が損傷をうけ視野異常を引き起こす病気ですが、一度損傷された視神経は元に戻りません。ですので、早期発見が何よりも大切になります。視野が欠けたり、視力が低下する前に発見し、適切な治療を受けることが大事になります。

緑内障の原因は眼圧にある

下図のように、瞳孔から入った光(明るさと色彩)は眼底の網膜にある無数の視細胞に伝達します。視細胞に伝達した情報は視神経繊維と呼ばれる視神経のコードに集約され、そこから脳へ送り出されます。

視神経のコードは約120万本あるといわれており、視神経乳頭という場所から120万本のすべてが束ねられ脳へ向かっています。視神経乳頭は大きな負荷がかかる場所なので視神経はとても傷つきやすい状態なのです。そこに、さらに高い圧力が加わってしまうと、視神経が圧迫されてダメージを受けてしまいます。

圧迫されて損傷した視神経は、正しい視覚情報を脳に伝えることができなくなるので視野が欠けてしまうのです。視神経にダメージを与える高い圧力緑内障の原因といわれている眼圧の上昇です。

ですから、緑内障の治療では、眼圧を下げることが何よりも重要になります。緑内障は眼圧を下げることで視野の障害を改善したり病期の進行を遅らせるころができるのです。

眼圧の正常値は10~21mmHgですが、それよりも高い数値でも緑内障の症状が現れないケース(高眼圧症)もあれば、逆に正常値の範囲内にもかかわらず、視神経が眼圧によってダメージを受けてしまうケース(正常眼圧緑内障)もあります。

つまり、眼圧に対する視神経乳頭の耐性は個人差が極めて大きいといえます。したがって、眼圧が正常な数値だからと安心できません。正常眼圧緑内障であっても、放置しておくと一般的な緑内障と同様に、視野の狭窄になり最終的に失明する場合もあります。

日本人の緑内障の8割が正常眼圧緑内障といわれているので眼圧が正常値だからといって安心できません。

眼圧が1mmHg下がるだけでも視野障害のリスクは10%減少し、眼圧を30%下げると8割の患者さんが視野障害の進行が止まるといわれています。

簡単にできる緑内障のセルフチェック

テレビの「砂嵐」と言われている何も受信していない時に映るザラザラのノイズ画面を使うのですが、デジタル放送では砂嵐がないので地上波のアナログ電波を選んでください。砂嵐の画面が出たら、テレビ画面の中央にシールなどで小さな印をつけてください。

次にテレビの対角線と同じくらいの距離から片方の目で画面中央の印を30秒ほど見ます。その状態でテレビ画面のどこかに見えづらい部分があれば視野の欠損が現れている可能性があります。

セルフチェックは簡易的なものなので一つの目安程度のものです。40歳を過ぎたら年に一度は眼科で緑内障の検査を受けましょう。

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