1) 食事療法の基本

食事療法が生活療法の最大ポイント


かつて痛風はご馳走を毎日食べ続ける王侯貴族の飽食からくる贅沢病といわれていました。しかし、食生活が豊かになるにつれて、高脂肪・高タンパク質の食事が当たり前になっている現在では、誰でも発病する可能性をもっている病気になっています。痛風は中高年男性の病気だと思われていましたが、20歳代の若い男性も発病するようになりました。

食事療法というと、よく血糖値を下げる食品とか血圧にいい食品などと、病気治療に効く食品である、という言い方をよく耳にします。しかし、食品は薬ではないので、食べれば直ちに効果が出るものではありません。それどころか、その食品ばかりを食べる弊害のほうが大きくなります。

食事は私たちの身体をつくる原材料であり、活動のエネルギー源なのです。したがって、人間の体に必要な栄養素を適正量摂取することが、食事の基本です。

高血圧、糖尿病、高脂血症などは生活習慣病です。生活習慣病という名が示す通り、長い間の高脂肪、高タンパク、高カロリーの食事の連続が、こうした病気を引き起こすわけです。痛風の場合も例外ではなく、高尿酸血症と診断された、あるいは痛風発作が起きたということは、あなたのこれまでの食生活が間違っていたと考えるべきなのです。

食事内容やカロリー摂取量がどのようなメカニズムで高尿酸血症を引き起こすかは、すべて解明されているわけではありません。少なくとも長年の暴飲暴食が痛風を悪化させ、良好な質・量の食生活にすれば、痛風の症状は改善されることは明らかです。

高尿酸血症と診断されたら食生活の要修正のサイン

もしあなたが血液検査で高尿酸血症と診断されたら、あるいは痛風発作に見舞われたとしたら、とにかくこれまでの食生活を変えなければならないということです。知らない間にあなた流の食パターンができ、そのおかげで痛風が発症してしまったのです。それでもあなたは「そんなに食べてないんだけど」「結構栄養には気を使っているほう」と思い込んでいるかもしれません。

しかし、改めて、自分の食生活を振り返って、基本と照らし合わせると、おそらくたくさんの修正すべき点がみつかるはずです。

痛風の食事療法は特別なものはありません。適正な栄養バランスとカロリーが基本となります。そして、痛風は高尿酸血症から起こるので、尿酸のコントロールや尿管理という面を付加したものが、痛風の食事療法の基本となります。

痛風・高尿酸血症を改善する食事療法のポイント

  1. 適正エネルギーを摂る
  2. 栄養バランスのよい食事
  3. 高尿酸血症になりやすいプリン体含有食品を控えめに
  4. アルカリ性食品を十分に摂る
  5. 水分をたっぷり摂り、尿酸を排泄させる
  6. アルコール飲料の多飲は慎む


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