家庭血圧の測り方

血圧130mmHgっていったい何?

血圧は常に変化している

収縮期血圧が130mmHgを超えたら要注意。最近、よく耳にする言葉ですね。でも、いつ、どのように測った血圧が130なのか、正しく理解していない人もいるのではないでしょうか。

血圧は、生活のリズムに合わせてリアルタイムに細かく変動しています。

健康な人の平均的な一日の血圧変動は以下のとおり。

朝、起床すると血圧が上がり始め、日中のよく活動する時刻に最も高くなります。そして、家に帰ってリラックスできれば、血圧は下がり、就寝中は10%ほど低くなります。

また、仕事で興奮したり、忙しく活動すると血圧はぐっと上がります。もちろん、激しい運動をしたときも同じです。

逆に、お風呂に入ったとき、お酒を飲んだとき、食事をした直後、トイレで小用を足したときには、血圧は下がる傾向があります。

つまり、平均血圧(収縮期)が130mmHgでも、一日を通して考えればそれより高くなったり低くなったりしているということになります。

いつ測ればいいの?

みなさんが気にするべき血圧は、一日の平均ではありません。測るタイミングは決まっています。それは、朝起きてトイレに行き、朝食を食べるまでのリラックスした時間です。

起床直後に血圧は、ポンと高くなる瞬間があります。それが落ち着いて安定したときに測るわけです、食事をしてしまうと、低い値が出てしまいます。

以前は、血圧は病院で測るものでしたが、今は家で測る家庭血圧が重視されています。病院で何時間も待たされたり、看護師さんやお医者さんの前で緊張すると、正しい血圧が測れないからです。

生活習慣病を気にする年齢になったら、血圧を測ることを毎朝の日課にするといいでしょう。 血圧を測る習慣は、自ずと生活習慣を意識する戒めにもなります。

そして、病院を受診するときには、毎日の血圧の記録を持っていけば万全です。

血圧は、二度測れ

三度測るな

家庭血圧が一般的になった背景には、血圧計の普及があります。誰でも簡単にピッと血圧を測ることが出来るようになりました。

血圧計にはいくつかのタイプがあります。上腕にカフを巻くタイプ、腕を挿入するタイプ、手首に巻くタイプ、さらには指先にクリップを挟むだけのポータブルな商品も販売されています。

このなかでおすすめするのは、上腕にカフを巻くタイプです。誤差が少なく、正確に測ることが出来ます。血圧を測るときの基本は、心臓と同じ高さで測ることです。手首や指先で測るタイプは、その点、バラつきが出やすいのです。

上腕タイプをどっしりと決まった場所に設置して、同じ時間に測る習慣をつけましょう。

測った値を記録しておくことが大切

血圧を測るときは、リラックスしてひとつ大きく深呼吸をします。そして、おもむろにカフを巻き、落ち着いてスイッチを押します。ピッ!

でも、この値は記録しません。なぜ? たとえ自分が落ち着いているつもりでも、血圧測定となると、どこか緊張しているからです。

ハイ、深呼吸。そして、もう一度、測ります。ピッ!

あれ、昨日より高いぞ。もう一回測ってみよう。いえ、それはいけません。三度以上、測るものではありません。

必ず二度目の値を記録してください。

高齢者のなかには、一日に何度も血圧を測る人がいるそうです。食事をして測定。トイレに行って測定。散歩をして測定。虫に刺されて測定。

血圧の変動を知るための人体実験ならば意味があるかもしれませんが、血圧恐怖症になってしまいます。基本的には、朝食の前と就寝前。この二回で十分です。

大切なのは記録することです。手帳でも、カレンダーでも、なんでもかまいません。そうすることで、血圧の変化を知るとともに、健康への意識向上につながります。

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