【緊急】心筋梗塞の前兆サイン10選と救急車を呼ぶ判断基準

心筋梗塞は、心臓の血管(冠動脈)が完全に詰まり、心筋の一部が壊死してしまう命に関わる病気です。発症前の「前兆」や、発症時の危険なサインを見逃さないことが、生存率を大きく左右します。

1. 見逃してはいけない心筋梗塞の前兆サイン10選

心筋梗塞の典型的な症状は激しい胸痛ですが、非典型的なサイン(放散痛や全身症状)も多くあります。これらが急に発生したり、安静時にも起こるようになったりした場合は要注意です。

項目 症状の特徴
① 強い胸の痛み 胸の中央、または左胸に、締め付けられる、押しつぶされる、焼けるような激しい痛みや圧迫感
② 痛みの持続時間 痛みが20~30分以上続く(狭心症は数分~15分程度)。安静にしても治まらない。
③ 左肩・左腕のしびれ 胸の痛みと同時に、左肩から左腕、左手にかけての強いしびれや痛み(放散痛)。
④ 顎・歯・首の痛み 胸ではなく、下顎、奥歯、首筋、喉に痛みや違和感を感じる(非典型的な放散痛)。
⑤ 背中・みぞおちの痛み 背中側みぞおち(胃のあたり)に痛みがあり、胃の不調と間違えやすい。
⑥ 吐き気・嘔吐 激しい吐き気や嘔吐を伴う。
⑦ 冷や汗 脂汗のような大量の冷や汗をかく。
⑧ 呼吸困難・息切れ 突然、息苦しくなり、呼吸が困難になる。
⑨ 強い倦怠感 これまでにないほどの強いだるさ、脱力感に襲われる。
⑩ 意識障害 意識が朦朧とする、失神する。

要注意:女性や高齢者のサイン

女性や高齢者、糖尿病患者は、胸痛がはっきり現れず、吐き気、疲労感、顎の痛みなど、非典型的な症状しか出ないことが多いため、特に注意が必要です。

2. 救急車を呼ぶべき判断基準

以下の基準に一つでも当てはまった場合は、「気のせいかも」と自己判断せず、直ちに119番通報してください。発症から病院到着までの時間が、心筋の壊死範囲と生存率に直結します。

基準①:時間の継続性

  • 激しい胸の痛みや圧迫感が、安静にしていても15分以上続いている。

  • 狭心症の薬(ニトログリセリン)を指示通り使用しても、5分経っても効果がない、または痛みが治まらない

基準②:症状の複合性

  • 胸痛に加えて、冷や汗、吐き気、呼吸困難、または左腕への強いしびれのうち、どれか一つでも伴っている。

基準③:意識レベル

  • 意識が朦朧としている、または呼びかけへの反応が鈍くなっている。

3. 救急車を待つ間の対処法

119番通報をして救急車を待つ間は、以下の対応をとってください。

  1. 安静にする: 楽な姿勢(座る、横になる)で、動かずに安静を保ち、心臓への負担を最小限に抑えます。

  2. 血圧を下げる: 症状が狭心症の発作と判断できる場合は、医師から処方されたニトログリセリンを舌下で使用します。ただし、低血圧(血圧が低い状態)の場合は危険なため、使用には注意が必要です。

  3. 衣服を緩める: 呼吸を楽にするために、ネクタイやベルトなど体を締め付けているものを緩めます。

絶対に自分で運転して病院へ行こうとしないでください。 運転中に意識を失うなど、二次的な事故のリスクがあります。