【40代から要注意!】前立腺がんの初期症状とPSA検査の異常値を判断する基準を徹底解説

1. なぜ40代から前立腺がんに注意が必要なのか

前立腺がんは、50歳以降の男性に最も多く診断されるがんであり、加齢とともに発生率が上昇します。そのため、検診が推奨されるのは通常50歳からですが、40代後半からリスクが高まり始めるため、家族歴がある方などは特に意識しておくことが重要です。

前立腺がんの初期症状

前立腺がんの初期段階では、自覚症状がほとんどないことが多く、進行して初めて症状が現れます。初期に症状が出た場合、それは前立腺肥大症の症状と非常によく似ています。

症状の種類 具体的症状 特徴
排尿障害 頻尿(特に夜間)、排尿開始に時間がかかる(排尿遅延)、尿の勢いが弱い。 がんが大きくなり、尿道が圧迫されることで起こる。前立腺肥大症との区別が難しい。
貯留症状 突然強い尿意を感じる(尿意切迫感)、排尿後もスッキリしない(残尿感)。
進行期の症状 血尿、血精液症。がんが骨に転移すると腰や股関節の痛みが生じる。 これらの症状が出た場合は、かなり進行している可能性があります。

2. 早期発見の鍵:PSA(前立腺特異抗原)検査

前立腺がんは早期に発見できれば治癒率が非常に高いため、症状がない段階でリスクを判定するPSA(Prostate Specific Antigen)検査が非常に重要です。

PSAは、前立腺から分泌されるタンパク質の一種で、血液中のPSA値が高いほど、前立腺がんの疑いが高まります。

異常値を判断する基準値(カットオフ値)

一般的に、PSA検査の基準値(カットオフ値)は $4.0 \text{ ng/ml}$(ナノグラム/ミリリットル)とされています。

PSA値の目安 臨床的な解釈 推奨される行動
4.0 ng/ml未満 正常範囲内。がんの可能性は低い。 1~3年ごとの定期検診を推奨。
4.0ng/ml以上 精密検査(針生検)の対象。がんの疑いがある。 速やかに泌尿器科を受診。

年齢別の基準値の考慮

最近では、PSA値は年齢とともに上昇するため、より正確にリスクを判断するために、年齢別の基準値やその他の指標も考慮されます。

年齢 基準値の目安
60歳未満 3.0 ng/ml以下
60代 4.0 ng/ml以下
70歳以上 5.0 ng/ml以下

3. 異常値と診断の判断基準

PSA値が 4.0ng/mlを超えた場合、必ずしも「がん」が確定するわけではありません。前立腺肥大症や前立腺炎でもPSA値は上昇します。

PSA異常値の次に行われる精密検査

医師は、PSA値が4.0ng/mlを超えた場合や、PSA値の上昇速度(PSA速度)、年齢別基準値などを総合的に判断し、以下の精密検査を推奨します。

  1. 直腸診:医師が直腸から前立腺を触診し、硬さやしこりの有無を確認します。
  2. 経直腸的超音波検査(エコー):前立腺の大きさや形、がんが疑われる病変の有無を確認します。
  3. 前立腺針生検:がんの確定診断に不可欠な検査です。直腸から針を刺し、前立腺の組織を採取して病理検査を行います。

PSA検診は、早期発見によって命を救える可能性が非常に高いため、特に50歳以上の男性は定期的な受診を強くお勧めします。