指の関節が「白鳥の首」のように変形してしまう「スワンネック変形」。主に関節リウマチや外傷、神経疾患によって発症します。この記事では、スワンネック変形の原因から症状、診断方法、治療法、予防法に至るまで徹底的に解説します。
スワンネック変形とは?特徴と症状
スワンネック変形(Swan Neck Deformity)とは、手指の第二関節(PIP関節)が過伸展し、第一関節(DIP関節)が屈曲する状態を指します。その形が白鳥の首に似ていることからこの名称が付きました。
部位 | 状態 |
---|---|
DIP関節(第一関節) | 屈曲(曲がる) |
PIP関節(第二関節) | 過伸展(反り返る) |
MCP関節(付け根) | 場合により屈曲 |
日常生活ではボタンを留める、ペンを持つなどの細かい作業が困難になり、放置すると関節の拘縮(動かなくなる)を招くこともあります。
スワンネック変形の主な原因
スワンネック変形の原因は多岐にわたりますが、以下の疾患や外的要因が主な原因です。
- 関節リウマチ(最も多い)
- 外傷(伸筋腱断裂など)
- 神経疾患(脳卒中・脳性麻痺)
- 靭帯のゆるみ(エーラース・ダンロス症候群)
とくにリウマチによる滑膜炎がPIP関節を不安定にさせ、屈筋・伸筋のバランスが崩れることで変形が進行します。
診断方法と検査内容
診断は問診と視診、触診を基本とし、画像検査によって関節の変形状態を確認します。
検査項目 | 内容 |
---|---|
X線(レントゲン) | 関節の変形度・骨の状態を確認 |
血液検査 | リウマチ因子、抗CCP抗体など |
関節可動域検査 | 動作制限や痛みの確認 |
スワンネック変形の治療法
治療には保存療法と手術療法があります。進行度により適切な治療法を選択します。
保存療法
- 装具療法(スプリントによる関節保護)
- 理学療法(関節可動域訓練、筋力強化)
- 薬物療法(リウマチ薬、NSAIDsなど)
手術療法
保存療法で効果がない場合、手術が検討されます。
- 関節固定術
- 腱移行術
- 関節形成術
スワンネック変形を予防するには?
予防には原因となる基礎疾患のコントロールと、日常生活での手指のケアが重要です。
- リウマチの早期発見と治療継続
- 重い荷物を持つときは手袋や装具を使う
- 手指のストレッチや筋トレを日課にする
よくある質問(Q&A)
Q. スワンネック変形は自然に治る?
A. 基本的に自然治癒はしません。進行を防ぐためには早期治療が必要です。
Q. どの診療科を受診すればいい?
A. 整形外科またはリウマチ科が適切です。
Q. スワンネック変形があっても仕事はできる?
A. 軽度であれば日常生活や仕事も可能ですが、早期対応が大切です。
まとめ
スワンネック変形は、見た目の問題だけでなく、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。原因となるリウマチや外傷を早期に対処することで進行を防ぐことができます。
- 原因の多くはリウマチや外傷
- 症状はPIP関節の過伸展、DIP関節の屈曲
- 早期診断・保存療法が基本
- 進行した場合は手術も検討
- 日常生活でのケアが予防につながる
気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。