ナトリウム

ナトリウムは私たちの身体にとって不可欠なミネラルの一つですが、摂りすぎるとさまざまな健康リスクを引き起こします。この記事では、ナトリウムの基本情報、役割、摂取基準、ナトリウムを多く含む食品、減塩のコツなど、健康的な食生活に役立つ情報をわかりやすく解説します。

ナトリウムとは?その役割と働き

ナトリウムは主に細胞外液に存在し、体内の水分バランスや神経伝達、筋肉の収縮などに関わっています。体内のナトリウム量が不足または過剰になると、身体機能に大きな影響を与えるため、バランスが非常に重要です。

  • 水分の調節:体液の浸透圧を維持する
  • 神経と筋肉の機能:ナトリウムイオンは神経信号の伝達を助ける
  • 血圧の調整:過剰摂取は高血圧の原因になる

1日のナトリウム摂取目安量

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、1日あたりの食塩(ナトリウム)摂取目安は以下の通りです。

対象 食塩相当量の目標量(1日)
男性(18歳以上) 7.5g未満
女性(18歳以上) 6.5g未満

ナトリウム換算では、1gの食塩は約390mgのナトリウムに相当します。

ナトリウムを多く含む食品一覧

以下にナトリウムを多く含む代表的な食品とそのナトリウム含有量を表にまとめました。

食品 ナトリウム量(mg/100g) 備考
しょうゆ 5700 大さじ1杯で約900mg
味噌 4200 味噌汁1杯で約600mg
塩さけ 1400 1切れ(80g)で約1100mg
梅干し 8700 1個で約800mg
インスタントラーメン(スープ含む) 2000~3000 スープを残すと摂取量減

ナトリウムの過剰摂取による影響

ナトリウムを過剰に摂取すると、次のような健康リスクが高まります。

  • 高血圧:血管の水分量が増えて血圧が上昇します。
  • 心疾患・脳卒中のリスク増加:動脈硬化が進行しやすくなります。
  • 腎機能の低下:余分なナトリウムの排出で腎臓に負担がかかります。
  • 骨粗しょう症:カルシウムの排出が促進されて骨密度が低下する恐れも。

減塩のコツとナトリウムの適切な摂り方

健康的にナトリウムをコントロールするには、以下の方法が有効です。

  1. 加工食品を減らす:漬物・ハム・カップ麺などの加工食品には注意
  2. だしの活用:昆布やかつお節などの天然だしで風味アップ
  3. 香辛料や酢を使う:唐辛子・生姜・レモン・黒酢などで塩味を補う
  4. 「かける」より「つける」:調味料の使用量を最小限に
  5. 栄養成分表示をチェック:ナトリウムや食塩相当量を確認する習慣を

よくある質問(Q&A)

Q. ナトリウムと塩(食塩)は同じものですか?

A.いいえ、ナトリウムは塩の成分の一部です。塩(食塩)は主に塩化ナトリウムで構成されており、そのうち約40%がナトリウムです。

Q. 減塩食品は本当に健康に良いのですか?

A.減塩食品はナトリウム摂取量を抑えるのに有効です。ただし、カリウムや他の代替物質の影響にも注意し、バランスの取れた食生活を心がけましょう。

Q. 汗をかく夏はナトリウムを多く摂った方が良い?

A.大量の発汗時には塩分補給が必要になることもあります。ただし、スポーツドリンクや塩タブレットなどを使い、摂取量を調整しましょう。

Q. ナトリウム不足になることはありますか?

A.稀ではありますが、極端な減塩や過度の発汗、下痢・嘔吐などで体内のナトリウムが不足すると、低ナトリウム血症になる可能性があります。

まとめ:ナトリウムと上手につきあうために

ナトリウムは健康に欠かせない栄養素ですが、現代人は多く摂りすぎている傾向があります。食品の選び方や調理方法を工夫することで、無理なく減塩を実現し、生活習慣病の予防につなげることができます。

「摂りすぎず、でも不足しない」を意識して、ナトリウムとバランスの取れた関係を築きましょう。

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