はじめに:大人のマイコプラズマ肺炎は「診断が遅れがち」
マイコプラズマ肺炎は子どもの病気と思われがちですが、大人も感染し、長引く咳に悩まされるケースが少なくありません。大人の場合、初期症状が軽いため「ただの風邪」と自己判断して受診が遅れ、診断が遅れる傾向があります。
特に高齢者や持病を持つ方、過労などで免疫力が低下している方は重症化リスクがあるため、予防が非常に重要です。
1.大人のマイコプラズマ肺炎の特徴と重症化リスク
大人のマイコプラズマ肺炎も、子どもと同様に「乾いた激しい咳」が長期間(3週間以上)続くのが最大の特徴です。
| 特徴的な症状 | 重症化リスクが高まるケース |
| 長引く咳 | 咳は悪化しやすく、夜間や早朝にひどくなる。 |
| 微熱〜高熱 | 38℃前後の発熱が続く。 |
| 胸の痛み | 咳のしすぎで胸骨付近に痛みを感じる。 |
2.長引く咳と重症化リスクを防ぐ3つの予防法
マイコプラズマ肺炎は、飛沫感染や接触感染で広がります。感染経路を断ち、体の抵抗力を高めることが予防の基本です。
予防法①:飛沫・接触感染を防ぐ「基本的な衛生管理」
- マスクの着用:人混みや換気の悪い場所に行く際は、感染源となる飛沫を防ぐため、不織布マスクを正しく着用する。
- 手洗いの徹底:外出先から戻った際や食事の前には、石鹸と流水で手洗いを徹底する。
- 咳エチケット:咳やくしゃみが出る際は、マスクやティッシュ、袖で口と鼻を覆い、飛沫の拡散を防ぐ。
予防法②:粘膜の防御機能を高める「湿度と水分補給」
- 室内の加湿:空気が乾燥すると、喉や気管支の粘膜が乾燥し、ウイルスや細菌が付着しやすくなります。湿度を50〜60%に保つことで、粘膜の防御機能が正常に働きます。
- こまめな水分補給:喉の粘膜を潤し、痰の排出を助けるために、水やお茶などで水分をこまめに補給する。
予防法③:体の抵抗力を高める「休養と栄養」
- 十分な休養:過労や睡眠不足は免疫力を低下させ、感染後の治癒を遅らせます。毎日7〜8時間の質の高い睡眠を心がけましょう。
- バランスの取れた食事:特にビタミンA(粘膜を保護)やビタミンC(免疫機能維持)を含む緑黄色野菜や果物、タンパク質をしっかり摂り、免疫力を維持する。
3. 咳が長引いたら「すぐ受診」の判断基準
「ただの風邪」と自己判断して市販薬を飲み続けても、マイコプラズマ肺炎は改善しません。
- 10日以上咳が続き、悪化している場合。
- 熱が治まっても、激しい乾いた咳が続く場合。
マイコプラズマに有効な特定の抗菌薬による治療が必要です。長引く咳を放置せず、必ず医療機関(内科・呼吸器内科)を受診してください。
