低血圧症

「朝が弱い」「立ちくらみが多い」そんな悩みを抱えている方、それはもしかすると低血圧症かもしれません。高血圧が注目されがちな一方で、低血圧は軽視されやすい症状ですが、実は日常生活に大きな支障をきたすことがあります。本記事では、低血圧症の基礎知識から原因、対策までをわかりやすく解説します。

低血圧症とは?基準値と分類

低血圧症とは、血圧の値が慢性的に基準より低く、体に不調が現れる状態を指します。正常血圧は上(収縮期血圧)が120mmHg前後、下(拡張期血圧)が80mmHg前後とされますが、それより著しく低い状態が続くと問題となります。

分類 収縮期血圧(上) 拡張期血圧(下)
正常血圧 120〜129mmHg 80〜84mmHg
低血圧 100mmHg以下 60mmHg以下
極端な低血圧 90mmHg以下 50mmHg以下

低血圧の主な症状とは?

低血圧症は、単に血圧が低いというだけでなく、以下のような不快な症状を引き起こします。

  • 立ちくらみ・めまい:起立性低血圧による血流不足。
  • 倦怠感:血行が悪くなることで慢性的な疲労感を感じやすい。
  • 頭痛・肩こり:脳への血流不足が原因。
  • 冷え性:末梢血管への血流が弱く、手足が冷える。
  • 集中力の低下:酸素供給が不足し、頭がぼーっとすることも。

低血圧症の原因はさまざま

低血圧の原因には以下のような要素があります。

  • 体質:遺伝や先天的なもの。
  • 自律神経の乱れ:ストレスや不規則な生活が影響。
  • 栄養不足:特にビタミンB群や鉄分の不足。
  • 病気によるもの:心臓病、内分泌疾患(副腎不全など)。
  • 薬の副作用:降圧剤、利尿剤、抗うつ薬など。

低血圧症の対処法と改善策

低血圧は生活習慣の改善で症状を軽減できます。薬物治療は重症の場合に限られ、多くは次のような方法で対処が可能です。

  • 朝食をしっかり摂る:塩分・水分を適度に摂取する。
  • 起床時にゆっくり起き上がる:急激な立ち上がりを避ける。
  • 適度な運動:血流を良くするためのウォーキングやストレッチ。
  • 睡眠の質を上げる:自律神経の調整には規則正しい睡眠が重要。
  • 弾性ストッキングの使用:血液の下半身への滞留を防ぐ。

病院に行くべき?受診の目安

生活に支障が出るほどの低血圧は医師の診察を受けましょう。以下のようなケースでは医療機関での検査が必要です。

  • 日常生活に影響する強いめまい、ふらつきが続く
  • 食欲不振や体重減少など、他の症状も見られる
  • 失神や意識消失がある
  • 服薬している薬との関連が疑われる

よくある質問(Q&A)

Q. 低血圧は放置しても問題ない? A. 症状がなければ治療の必要はない場合もありますが、日常に支障があるなら対処が必要です。 Q. 低血圧でも運動はしていい? A. はい、適度な運動は血流を促進し、低血圧の改善につながります。ただし急な動きは避けましょう。 Q. 子どもや若い女性に多いのはなぜ? A. 成長期のホルモンバランスや、自律神経の未熟さ、筋力不足が影響すると考えられています。 Q. 食事で気をつけるべきことは? A. 朝食を抜かず、水分や塩分をしっかり摂ること。ビタミンや鉄分も重要です。

まとめ|低血圧も「体からのサイン」、早めの対処で快適な毎日を

低血圧症は軽視されがちですが、日常に支障が出るようなら立派な健康課題です。体のだるさや立ちくらみを我慢せず、まずは生活習慣の見直しから始めましょう。それでも改善しない場合は、医療機関での相談が安心です。自分の体の声に耳を傾け、早めの対応で健やかな毎日を手に入れてください。

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