口腔カンジダ症(鵞口瘡)は、口の中に白いカビのような斑点ができる感染症で、免疫力の低下や口腔環境の悪化が原因で発症します。乳幼児や高齢者、免疫抑制状態の方に多く見られ、放置すると痛みや食事障害につながることも。この記事では、口腔カンジダ症の原因や症状、治療法、予防策について詳しく解説し、Q&Aも設けてわかりやすくまとめました。ぜひ参考にしてください。
口腔カンジダ症(鵞口瘡)とは?
口腔カンジダ症は、カンジダ属の真菌(カビ)が口腔内で異常に増殖して起こる感染症です。特にCandida albicansという真菌が原因となることが多く、口の中に白い斑点や膜状の病変が現れます。
別名「鵞口瘡(がこうそう)」とも呼ばれ、乳幼児の口内炎として知られていますが、成人でも免疫力が低下した場合などに発症します。
口腔カンジダ症の原因
口腔カンジダ症の発症にはさまざまな要因があります。以下の表に代表的な原因をまとめました。
原因 | 説明 | 主な影響を受けやすい人 |
---|---|---|
免疫力の低下 | 病気や薬の影響で免疫機能が落ちると真菌が増殖しやすくなる | 高齢者、HIV患者、がん患者、糖尿病患者 |
抗生物質の長期使用 | 口腔内の善玉菌が減少し、カンジダ菌が増える | 長期治療中の患者 |
口腔の不衛生 | 口の中が清潔でないと真菌の増殖を促進する | 不適切な口腔ケアをする人 |
ドライマウス(口腔乾燥症) | 唾液が減ることで抗菌作用が弱まり、カンジダ菌が繁殖しやすくなる | 高齢者、薬剤の副作用がある人 |
乳児の免疫未熟 | 免疫機能が未発達のためカンジダ菌の感染を受けやすい | 乳児 |
口腔カンジダ症の主な症状
口腔カンジダ症では以下のような症状が現れます。早期に気づき、適切な対処をすることが重要です。
- 口腔内の白い斑点や膜状の病変(舌、頬の内側、口蓋など)
- 口の中のヒリヒリ感や痛み
- 味覚の異常
- 口臭
- 乾燥感や違和感
- 重症の場合、出血や潰瘍形成
口腔カンジダ症の診断と治療法
口腔カンジダ症の診断は主に目視検査と培養検査により行われます。症状の特徴と口腔内の白い斑点を確認したうえで、必要に応じて専門医が検査を実施します。
治療法
口腔カンジダ症の治療には抗真菌薬の使用が基本です。症状や重症度に応じて外用薬や内服薬が処方されます。
治療法 | 特徴 | 代表的な薬剤例 |
---|---|---|
外用抗真菌薬 | 口腔内に直接塗布するタイプ。軽度の症状に使用。 | ミコナゾール、ナイスタチン |
内服抗真菌薬 | 全身的に効果を発揮。重症例や再発例に適応。 | フルコナゾール、イトラコナゾール |
口腔ケアの強化 | 口腔内の清潔を保ち、再発予防に重要。 | 適切な歯磨き、うがい薬の使用 |
口腔カンジダ症の予防法
口腔カンジダ症を予防するためには、日常の口腔ケアの徹底が欠かせません。以下のポイントを意識しましょう。
- 毎日の歯磨きを丁寧に行う
- 舌や口腔粘膜の清掃も忘れない
- バランスの良い食事と十分な睡眠をとる
- 口腔乾燥を防ぐために水分をしっかり摂る
- 抗生物質やステロイド薬の長期使用は医師と相談する
- 定期的に歯科検診を受ける
口腔カンジダ症に関するQ&A
- Q1: 口腔カンジダ症はうつるの?
- A1: 口腔カンジダ症自体は通常、健康な人には感染しにくいですが、免疫力が低下している場合は接触感染のリスクがあります。特に乳児などは注意が必要です。
- Q2: 口腔カンジダ症は自然に治る?
- A2: 軽度の場合は自然軽快することもありますが、多くは治療が必要です。放置すると症状が悪化し、食事や会話に支障をきたすことがあります。
- Q3: どのくらいで治るの?
- A3: 適切な治療を受ければ、通常は1〜2週間で改善します。ただし、免疫抑制状態の方は長引く場合もあります。
- Q4: 予防のためにおすすめの食べ物は?
- A4: 免疫力を高めるビタミンCやビタミンB群、発酵食品(ヨーグルトなど)が口腔環境を整えるのに役立ちます。
- Q5: 赤ちゃんに口腔カンジダ症ができたらどうする?
- A5: 早めに小児科や歯科に相談しましょう。母乳を飲む際に痛がる場合は、授乳中の母親も乳頭のケアが必要です。
まとめ
口腔カンジダ症(鵞口瘡)は、免疫力の低下や口腔環境の悪化により発症しやすい感染症です。特に乳幼児や高齢者、免疫抑制状態の方は注意が必要で、症状に気づいたら早めの診断と治療が大切です。日常的な口腔ケアや生活習慣の改善で予防も可能なので、ぜひ今回ご紹介したポイントを参考に健康な口腔環境を保ちましょう。