唾石症

唾石症(だせきしょう)は、唾液腺やその導管に石ができることで起こる病気です。食事のときに口の中が痛んだり、腫れが生じることがあり、放置すると慢性的な炎症や感染を引き起こすこともあります。本記事では唾石症の症状、原因、診断方法、治療法、予防法までを詳しく解説し、よくある質問にも答えます。唾石症に不安がある方、疑いがある方はぜひ参考にしてください。

唾石症とは?その基本知識

唾石症は、唾液腺やその導管内にカルシウムを主成分とした石(唾石)が形成される疾患です。主に顎下腺(がっかせん)に発生しやすく、次いで耳下腺、舌下腺に多いとされています。唾石ができると唾液の流れが妨げられ、腫れや痛みが生じます。

ポイント 内容
発生場所 顎下腺(約80%)、耳下腺、舌下腺
原因 唾液の流れの停滞、唾液成分の変化、細菌感染など
症状 腫れ、痛み、口の渇き、食事時の症状悪化
治療法 保存的治療、石の摘出手術、衝撃波治療など

唾石症の主な症状とは?

唾石症の症状は、唾液腺の石による唾液の流れの妨げから発生します。代表的な症状は以下の通りです。

  • 食事中または食後に口腔内や顎下の痛み
  • 唾液腺の腫れ(特に顎下や耳下)
  • 口の中の渇きや不快感
  • 唾液の分泌障害による口臭
  • 炎症が進行すると発熱や強い痛みを伴うこともある

痛みや腫れが繰り返し起こる場合は早めの受診をおすすめします。

唾石症の原因と発生メカニズム

唾石は主に唾液の中のカルシウムやリン酸などのミネラル成分が結晶化し、固まることで形成されます。以下に唾石ができやすくなる主な原因をまとめました。

原因 説明
唾液の流れの停滞 唾液腺や導管の狭窄や閉塞があると唾液の流れが悪くなり、石が形成されやすくなる
脱水や口腔乾燥症 唾液の量が減るとミネラル濃度が高くなり結晶ができやすくなる
慢性炎症や感染 唾液腺の炎症で組織が変化し石の形成を促進する
食生活・生活習慣 カルシウムの過剰摂取や口腔衛生不良が影響

唾石症の診断方法

唾石症は主に以下の方法で診断されます。

  • 問診・視診:症状の聞き取りと口腔内の観察
  • 触診:唾液腺の腫れや石の有無を確認
  • 画像診断:エックス線撮影、CT、超音波検査で石の位置や大きさを把握

特に超音波検査は放射線被曝がなく、診断に有効です。

唾石症の治療法と日常生活での注意点

唾石症の治療は、症状の程度や石の大きさ・位置によって異なります。代表的な治療法は以下の通りです。

治療法 内容 適応例
保存的治療 水分補給、マッサージ、唾液の分泌を促す薬の服用 小さな石や症状が軽い場合
手術的摘出 導管や唾液腺から石を取り除く手術 大きな石、繰り返す症状、感染がある場合
衝撃波破砕術 体外から衝撃波を当てて石を砕く非侵襲的治療 中程度の大きさの石に有効

日常生活での注意点

  • 水分をしっかり摂取し、唾液の流れを良くする
  • 酸っぱい食べ物を適度に摂り、唾液分泌を促す
  • 口腔内を清潔に保ち、細菌感染を防ぐ
  • 症状が悪化する前に早めに医療機関を受診する

唾石症に関するよくある質問(Q&A)

Q1: 唾石症は誰でもかかりますか?
A1: 基本的に誰でも発症する可能性がありますが、脱水や口腔乾燥症、慢性的な唾液腺の炎症がある人はリスクが高まります。
Q2: 唾石症は自然に治ることがありますか?
A2: 小さな石の場合、自然に唾液と一緒に排出されることもありますが、多くは治療が必要です。
Q3: 手術は痛いですか?
A3: 麻酔を使うため痛みは最小限ですが、術後の腫れや違和感が数日続くことがあります。
Q4: 予防するにはどうしたら良いですか?
A4: 十分な水分補給、口腔内の清潔維持、規則正しい食生活が効果的です。
Q5: 治療後に再発しますか?
A5: 再発することもあります。日常のケアを怠らず、定期的に医師の診察を受けることが重要です。

まとめ

唾石症は唾液腺に石ができることで痛みや腫れを引き起こす病気です。原因は唾液の流れの停滞や口腔乾燥など多岐にわたります。症状が軽い場合は保存的治療で改善することもありますが、大きな石や感染症状がある場合は手術や衝撃波治療が必要です。日常生活では水分補給や口腔ケアを心がけ、症状があれば早めに専門医に相談しましょう。

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