尿路結石は、腎臓や尿管、膀胱など尿の通り道に結石ができる病気で、日本人男性の約7人に1人が経験するといわれています。激しい痛みで知られるこの病気ですが、予防法や早期発見のポイントを知っておくことで対策が可能です。
この記事では、尿路結石の原因・症状・治療法・予防法・Q&Aまで、総合的に解説します。
尿路結石とは?基礎知識と種類
尿路結石とは、尿の中に含まれるカルシウムやシュウ酸、尿酸などの成分が結晶化して石になる病気です。これが腎臓・尿管・膀胱などに詰まり、様々な症状を引き起こします。
尿路結石の種類
種類 | 構成成分 | 特徴 |
---|---|---|
カルシウム結石 | シュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム | 最も多く、全体の80%を占める |
尿酸結石 | 尿酸 | 高尿酸血症や痛風と関連 |
ストルバイト結石 | リン酸マグネシウムアンモニウム | 細菌感染によってできやすい |
シスチン結石 | シスチン | 先天性の代謝異常が原因 |
尿路結石の主な原因とリスク要因
尿路結石の原因は一つではなく、生活習慣や体質、食生活などが複雑に関係しています。
- 水分不足:尿が濃縮され、結晶が形成されやすくなります
- 高たんぱく・高脂肪の食生活:尿酸値の上昇やカルシウム排出の増加
- 運動不足:骨からカルシウムが溶け出しやすくなります
- 遺伝:家族に尿路結石の患者がいる場合、発症リスクが上がる
また、メタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病との関連も指摘されています。
尿路結石の症状:どんな痛み?どう気づく?
尿路結石で最も有名な症状は「突然の激しい痛み」です。特に結石が尿管に詰まると、以下のような症状が現れます。
- 側腹部〜下腹部にかけての激しい痛み(疝痛発作)
- 血尿(肉眼的または顕微鏡的)
- 吐き気・嘔吐
- 頻尿・排尿時の痛み
特に痛みは「七転八倒するほど」とも言われ、救急搬送されるケースも少なくありません。
尿路結石の検査と治療法
尿路結石の診断には、以下のような検査が行われます。
- 尿検査:血尿の有無、結晶成分の確認
- X線検査:石の位置や大きさの確認(ただし尿酸結石は写らない)
- CT検査:現在最も信頼性が高い方法
主な治療法一覧
治療法 | 内容 | 対象となるケース |
---|---|---|
自然排石 | 水分を多く摂取し、自然に排出を促す | 5mm以下の小さな石 |
体外衝撃波結石破砕術(ESWL) | 体外から衝撃波をあてて石を砕く | 5〜20mm程度の結石 |
経尿道的内視鏡手術 | 内視鏡で尿管や腎臓の石を直接除去 | 20mm以上や複数の結石 |
尿路結石の予防法:食生活と生活習慣の見直しがカギ
尿路結石の予防には、毎日の生活習慣の見直しが最も大切です。
具体的な予防ポイント
- 1日2リットル以上の水をこまめに飲む
- シュウ酸を多く含む食品(ほうれん草・ナッツ・チョコレートなど)を控えめに
- 塩分の摂取を減らす
- 過度な動物性たんぱく質を控える
- 適度な運動を継続する
また、カルシウムの摂取は適度に行うことで、逆に結石予防になります。
尿路結石に関するQ&A
- Q1. 結石が自然に出るまでどれくらいかかりますか?
- A. 小さな結石(5mm以下)であれば、数日〜2週間程度で排出されることが多いです。
- Q2. どんな飲み物が結石予防に効果的ですか?
- A. 水が最も効果的です。その他には柑橘系果汁(クエン酸が結晶化を防ぐ)もおすすめです。
- Q3. 再発率は高いですか?
- A. はい。5年以内に約50%が再発すると言われています。継続的な予防が必要です。
まとめ:尿路結石は予防と早期対応が重要
尿路結石は、激しい痛みと再発リスクの高い病気ですが、生活習慣の見直しと早期発見により予防・対処が可能です。
- 痛みが出る前の定期検査がおすすめ
- 1日2Lの水を目安に
- バランスの取れた食生活でリスクを軽減
健康的な生活習慣こそ、尿路結石予防の第一歩です!