急性出血性結膜炎

急性出血性結膜炎は、主に夏に流行する感染性の目の病気で、非常に強い感染力を持ちます。結膜が赤くなり、痛みや目やになどの症状が現れるため、日常生活に支障をきたすこともあります。本記事では、急性出血性結膜炎の原因や症状、治療方法、そして予防対策について詳しく解説します。感染拡大を防ぐために必要な情報を正しく理解し、適切な対応を心がけましょう。

急性出血性結膜炎とは?基本的な概要

急性出血性結膜炎(きゅうせいしゅっけつせいけつまくえん)は、アデノウイルスによる結膜の感染症です。特に夏季に流行しやすく、学校や職場などでの集団感染が多く報告されています。感染すると、目の結膜が炎症を起こし、充血や出血、小さな点状出血が現れるのが特徴です。

  • 感染経路:主に飛沫感染や接触感染
  • 潜伏期間:5日〜7日
  • 発症後の期間:約2週間程度で自然に改善することが多い

急性出血性結膜炎の主な症状と特徴

この病気の代表的な症状は以下の通りです。

症状 詳細 特徴
結膜の充血 目の白目部分が赤くなる 出血を伴うため鮮やかな赤色になることが多い
目の痛み・異物感 しばしば痛みやゴロゴロ感を感じる 軽度から中程度の不快感が続く
涙・目やにの増加 水っぽい涙や粘っこい目やにが出る 症状の進行に伴って悪化することも
腫れ・まぶたの浮腫 まぶたが腫れぼったくなることがある 重症例では著しい腫れを伴うことも
視力低下 結膜炎自体は通常視力に大きな影響はないが、まれに角膜炎を伴い視力低下の恐れ 角膜への合併症に注意が必要

急性出血性結膜炎の原因と感染経路

急性出血性結膜炎の原因は主にアデノウイルスの感染です。特にアデノウイルス型8が多いとされています。ウイルスは以下のような経路で感染します。

  • 感染者の目や鼻の分泌物に触れること
  • 手を介した接触感染(手指を介して目をこするなど)
  • タオルや手すり、ドアノブなどの共有物を介した間接接触
  • 飛沫感染(咳やくしゃみによる飛沫)

特にプールや学校、職場など多くの人が密集する場所での感染拡大が報告されています。夏季に多発する理由は、プールを介した感染や汗をかくことによる手指の汚染が原因と考えられています。

急性出血性結膜炎の治療法と注意点

急性出血性結膜炎には有効な特効薬はありません。治療は症状を和らげる対症療法が中心となります。以下のような治療法があります。

治療方法 内容 注意点
点眼薬 抗炎症薬や人工涙液で炎症や不快感を軽減 自己判断で長期間使用しないこと
冷却・清潔 目を冷やして腫れや痛みを軽減 清潔なガーゼやタオルを使う
休息 目を酷使しない、安静を保つ 無理にコンタクトレンズを装着しない
医師の診察 重症化や角膜炎を疑う場合は眼科受診が必要 自己判断せず専門家の指示を仰ぐ

通常は1〜2週間で自然に回復しますが、症状が悪化したり、痛みや視力低下が続く場合は必ず眼科医の診察を受けてください。

急性出血性結膜炎の予防方法と感染拡大防止策

感染力が非常に強いため、周囲への感染拡大を防ぐために以下の予防策が重要です。

予防策 具体的な対策
手洗いの徹底 こまめに石鹸で手を洗い、ウイルスを除去
タオル・日用品の共有禁止 タオルやハンカチは個人専用にし、共有しない
目を触らない ウイルスが付着しやすいので目をこすらない
プールの利用注意 流行時期はプール利用を控えるか、感染予防を徹底
咳エチケット マスク着用や咳・くしゃみの際は口を覆う

Q&A:急性出血性結膜炎に関するよくある質問

Q1: 急性出血性結膜炎は人にうつりますか?
はい、非常に感染力が強く、飛沫や接触を通じて簡単に人にうつります。感染拡大防止のため手洗いやタオルの共有禁止などの対策が重要です。
Q2: 急性出血性結膜炎にかかったら学校や仕事は休むべき?
感染期間中は他人への感染リスクが高いため、症状が出ている間は休むことが推奨されます。症状が改善してから復帰しましょう。
Q3: 治療に抗生物質は使いますか?
抗生物質はウイルス感染には効果がありません。症状を和らげるための点眼薬などの対症療法が中心です。
Q4: 急性出血性結膜炎は何日くらいで治りますか?
一般的には1〜2週間で自然に治りますが、症状の重さや合併症の有無によって異なります。
Q5: 家族に感染者がいる場合の予防方法は?
感染者とタオルや枕を共有しないこと、手洗いの徹底、触れた物の消毒が重要です。また、感染者は目を触らないよう注意してください。

まとめ:急性出血性結膜炎の理解と正しい対策を

急性出血性結膜炎は非常に感染力が強いウイルス性の結膜炎です。症状は結膜の赤みや出血、目の痛みや異物感など多彩で、主に夏に流行します。特効薬はなく対症療法が中心ですが、適切なケアで1〜2週間で回復します。重要なのは感染拡大を防ぐための手洗いや日用品の共有禁止、目をこすらないなどの予防策です。症状が重い場合は速やかに眼科を受診し、適切な治療を受けましょう。正しい知識と行動で自分と周囲の健康を守ることが大切です。

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