慢性中耳炎とは?
慢性中耳炎(まんせいちゅうじえん)とは、中耳の炎症が長期間にわたって持続する状態のことを指します。急性中耳炎が十分に治らず、慢性化することで発症するケースが多く見られます。
項目 | 急性中耳炎 | 慢性中耳炎 |
---|---|---|
発症期間 | 数日~数週間 | 3ヶ月以上継続 |
主な症状 | 耳痛、発熱 | 耳だれ、難聴 |
治療法 | 抗菌薬 | 手術、点耳薬 |
慢性中耳炎の主な症状
慢性中耳炎では、以下のような症状が長期にわたって続くことがあります。
- 耳だれ(耳漏):膿のような液体が耳から出る
- 難聴:音が聞こえづらくなる
- 耳鳴り:耳の中で「キーン」と音がする
- 耳閉感:耳が詰まった感じがする
- 平衡感覚の異常:めまいやふらつき
慢性中耳炎の原因
慢性中耳炎は以下のような要因によって引き起こされます。
- 急性中耳炎の治癒不全:十分に治療されなかった場合に慢性化
- 耳管機能の低下:耳と鼻をつなぐ耳管がうまく働かない
- 反復性の中耳炎:繰り返し中耳炎を起こすことで組織が傷む
- アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎:鼻の病気が中耳に影響
- 自己免疫や慢性疾患:糖尿病などもリスク要因
慢性中耳炎の治療法
症状や重症度によって治療法は異なります。代表的な治療法は以下の通りです。
保存的治療(薬物療法)
- 抗菌薬の点耳薬
- 耳洗浄による耳だれの除去
- 全身投与の抗生物質
手術療法
保存的治療で改善が見られない場合、手術が検討されます。
- 鼓膜形成術:破れた鼓膜を補修する手術
- 鼓室形成術:鼓室(中耳空間)の構造を整える
- 乳突削開術:炎症が広がった乳突部の骨を削る
慢性中耳炎の予防方法
以下のような習慣を心がけることで、慢性中耳炎の予防が可能です。
- 風邪や急性中耳炎をきちんと治療する
- 鼻を強くかまない
- 耳掃除をしすぎない
- アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の適切な管理
- 定期的な耳鼻科検診を受ける
よくある質問(Q&A)
- Q1. 慢性中耳炎は自然に治りますか?
- A. 軽度であれば点耳薬などで改善することもありますが、基本的には医師の診察と治療が必要です。放置すると難聴や合併症のリスクが高まります。
- Q2. 慢性中耳炎はうつりますか?
- A. 慢性中耳炎自体は感染症ではないため、他人にうつることはありません。ただし、風邪や細菌感染が原因の場合は注意が必要です。
- Q3. 耳だれが続く場合、どうすればいい?
- A. 耳だれが長期間続く場合は、慢性中耳炎の可能性があります。早めに耳鼻科での診察を受けましょう。
まとめ
慢性中耳炎は、適切な治療と予防で十分に改善が可能な病気です。耳の症状を放置せず、早期に専門医を受診することが重要です。また、日々の生活習慣の中でも、耳や鼻のケアを意識することで予防につながります。
耳の健康を守るために、少しの違和感でも見逃さず、耳鼻科の専門医に相談するよう心がけましょう。