喉の激しい痛みや発熱に悩んでいませんか? それは単なる風邪ではなく、「扁桃周囲膿瘍」という深刻な病気かもしれません。この記事では、扁桃周囲膿瘍について、医療的な視点から詳しく解説します。原因から予防法まで、ぜひご一読ください。
扁桃周囲膿瘍とは?
扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)とは、扁桃腺の周囲に膿がたまる感染症です。主に細菌感染が原因で、扁桃炎が悪化して発症することが多く、10代から40代の若年層に比較的多く見られます。
項目 | 内容 |
---|---|
病名 | 扁桃周囲膿瘍(Peritonsillar Abscess) |
主な原因菌 | 溶連菌、嫌気性菌など |
主な症状 | 激しい喉の痛み、発熱、開口障害、口臭 |
治療法 | 抗生物質、膿瘍の切開・排膿 |
再発の可能性 | あり(特に慢性扁桃炎を伴う場合) |
扁桃周囲膿瘍の主な症状
初期段階では扁桃炎と似た症状を示しますが、進行すると以下のような特徴的な症状が現れます。
- 激しい喉の片側の痛み(飲み込むのが困難)
- 発熱(38℃以上の高熱)
- 開口障害(口が開かなくなる)
- 耳への放散痛(片側の耳が痛く感じる)
- 強い口臭
- 声がこもる(「ポテトマウス」)
原因と感染のメカニズム
扁桃周囲膿瘍の発症には以下のような要因が関与しています。
- 溶連菌や黄色ブドウ球菌などの細菌感染
- 免疫力の低下(風邪、疲労、ストレスなど)
- 慢性扁桃炎や口腔内衛生不良
特に扁桃腺の炎症が十分に治らないまま放置されると、扁桃の周囲の組織に感染が広がり膿瘍(うみ)が形成されます。
診断と治療方法
扁桃周囲膿瘍は症状だけでなく、医師の視診・触診・画像検査(CTや超音波)で診断されます。
治療の流れ
- 抗生物質投与:細菌感染に対する第一選択
- 切開・排膿:膿を切開して排出(外科的処置)
- 点滴治療:脱水や全身症状が強い場合は入院が必要
- 再発予防の扁桃摘出術:重症例や再発例には有効
再発と予防対策
一度膿瘍を経験した場合、再発するリスクがあります。再発防止のためには、以下のポイントが重要です。
- 早期の扁桃炎治療
- うがいや手洗いによる感染予防
- 十分な睡眠と栄養で免疫力を保つ
- 慢性扁桃炎がある場合は扁桃摘出も検討
よくある質問(Q&A)
Q. 扁桃周囲膿瘍は自然に治ることはありますか?
A. 基本的に自然治癒は難しく、放置すると膿が拡がって重症化する危険があります。必ず医療機関での治療が必要です。
Q. 子どもでも発症することがありますか?
A. はい、特に思春期以降の子どもに多い傾向があります。小児でも扁桃炎から進行するケースがあります。
Q. 痛み止めだけではダメですか?
A. 痛み止め(鎮痛薬)は症状緩和に役立ちますが、感染源の除去にはなりません。必ず抗生物質と医師の診察を受けましょう。
Q. どの診療科に行けばよいですか?
A. 耳鼻咽喉科が専門です。喉に異常を感じたら、早めに受診しましょう。
まとめ
扁桃周囲膿瘍は、扁桃炎が進行して膿がたまる危険な感染症です。激しい喉の痛みや発熱がある場合は、速やかに耳鼻科を受診することが重要です。放置すると深部感染や気道閉塞など重篤な合併症を引き起こすこともあるため、早期の対応と予防が鍵となります。
喉の痛みを軽視せず、「もしかして?」と思ったら、すぐに医療機関へ。