滲出性中耳炎は、小児に多く見られる耳の病気で、耳の中に液体(滲出液)がたまることによって聞こえが悪くなったり、違和感を感じたりする状態です。風邪が原因で発症することも多く、放置すると慢性化して聴力に影響を及ぼすことも。この記事では、滲出性中耳炎の原因、症状、診断方法、治療法、そして家庭でできる予防法まで、徹底的に解説します。
滲出性中耳炎とは?
滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)とは、鼓膜の奥にある中耳という部分に液体(滲出液)がたまる状態を指します。痛みを伴わないことも多く、子どもが症状を訴えにくいため、気づかないうちに進行することもあります。
項目 | 内容 |
---|---|
正式名称 | 滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん) |
主な症状 | 聞こえにくさ、耳の詰まり感 |
年齢層 | 乳幼児〜小学生に多い |
原因 | 風邪、アレルギー、耳管機能の未熟性 |
滲出性中耳炎の主な原因
滲出性中耳炎は複数の要因が重なって発症します。特に乳幼児は耳管(じかん)が短く水平に近いため、鼻や喉の炎症が中耳に広がりやすい構造です。
- 風邪やインフルエンザ:鼻やのどの炎症が耳に波及
- アレルギー性鼻炎:鼻詰まりが耳管の働きを妨げる
- 耳管の未発達:乳幼児特有の解剖学的要因
- 受動喫煙:家族に喫煙者がいると発症率が上がる
滲出性中耳炎の症状と診断方法
痛みがないことも多く、保護者が気づきにくいのが特徴です。以下のようなサインが見られた場合は耳鼻科を受診しましょう。
主な症状
- テレビの音量を上げる
- 呼びかけに反応しない
- 耳をさわる、気にする
- 耳の閉塞感
診断方法
- 耳鏡検査:鼓膜の色や動きで液体の有無を確認
- ティンパノメトリー:中耳の圧力を測定
- 聴力検査:難聴の程度を把握
滲出性中耳炎の治療法
滲出性中耳炎の治療法は症状の程度や年齢によって異なります。初期であれば経過観察が基本です。
治療法 | 説明 |
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経過観察 | 自然治癒を待つ(約3ヶ月以内) |
薬物療法 | 抗アレルギー薬や去痰薬で耳管機能を改善 |
鼓膜切開 | 鼓膜に小さな穴をあけて滲出液を排出 |
チューブ留置 | 再発を繰り返す場合に行う外科的治療 |
滲出性中耳炎の予防法と家庭でできるケア
滲出性中耳炎は再発しやすいため、日常的なケアが大切です。
- 鼻水はこまめに吸引またはかむ
- 風邪を早期に治す
- アレルギー症状のコントロール
- 室内の湿度を50〜60%に保つ
- 受動喫煙を避ける
よくある質問(Q&A)
Q1. 滲出性中耳炎は自然に治りますか?
A1. 軽度のものであれば自然に治癒するケースもありますが、3ヶ月以上改善しない場合は治療が必要です。
Q2. 学校や保育園には行っても大丈夫?
A2. 発熱や急性症状がなければ登園・登校は可能ですが、医師の判断を仰ぎましょう。
Q3. お風呂やプールは控えるべきですか?
A3. 治療中は水が耳に入らないように注意が必要です。医師の指示に従ってください。
Q4. 大人でもかかることはありますか?
A4. まれに大人にも発症します。特に副鼻腔炎や鼻の病気を持っている方は注意が必要です。
まとめ
滲出性中耳炎は、特に子どもに多い耳の病気で、痛みがないため気づきにくいのが特徴です。
早期発見・早期治療によって聴力への影響を防ぐことが可能です。
「聞こえづらそう」「反応が鈍い」といったサインに気づいたら、早めに耳鼻科を受診しましょう。
また、風邪やアレルギーの予防、鼻水の処理など、家庭でできるケアも重要です。