月経があるのに排卵が起きていない「無排卵周期症」は、女性の健康や妊娠に大きく影響を与える可能性がある疾患です。この記事では、無排卵周期症の基礎知識から、原因・症状・治療方法、そして日常生活での注意点まで詳しく解説します。妊活中の方や月経異常に悩む方に役立つ内容です。
無排卵周期症とは?
無排卵周期症とは、月経はあるものの排卵が行われていない状態のことを指します。通常の月経周期では、卵巣から卵子が排出され(排卵)、その後黄体が形成されて子宮内膜が厚くなり、妊娠しなければ月経として排出されます。しかし、無排卵周期症では排卵が起きていないため、ホルモンバランスが崩れ、正常な月経が行われていない可能性があります。
主な症状とセルフチェック方法
無排卵周期症の症状は非常に分かりづらく、月経があるために気づきにくいのが特徴です。以下のような症状が見られる場合は注意が必要です。
症状 | 内容 |
---|---|
不正出血 | 周期とは関係のない出血が見られる |
月経周期の乱れ | 生理周期がバラバラになる |
月経量の変化 | 極端に多い、または少ない経血量 |
基礎体温が二相性にならない | 排卵がないため体温変化が見られない |
妊娠しにくい | 不妊の原因となることも |
無排卵周期症の原因とは?
無排卵周期症にはさまざまな原因があり、主に以下のようなものが考えられます。
- ストレスや生活習慣の乱れ:ホルモン分泌が乱れやすくなる
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS):若年女性に多い疾患で排卵障害を引き起こす
- 過度なダイエットや体重減少:エストロゲンの分泌が低下する
- 甲状腺疾患:ホルモンのバランスを崩す原因になる
- 加齢:35歳以降は自然と排卵が減少する傾向にある
検査方法と診断の流れ
無排卵周期症の診断には、複数の検査を組み合わせて行われます。
- 問診:月経周期、症状、生活習慣などを医師が確認
- 基礎体温の測定:二相性の有無を確認
- ホルモン検査:FSH、LH、エストロゲン、プロゲステロンなどの数値を確認
- 超音波検査:卵巣の状態や子宮内膜の厚さをチェック
- 子宮内膜組織診:必要に応じて行われる
治療方法と対策
無排卵周期症の治療は、原因に応じてさまざまです。
治療法 | 内容 |
---|---|
ホルモン療法 | 排卵誘発剤(クロミフェンなど)やピルを使用 |
生活習慣の改善 | 栄養バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠 |
漢方薬の使用 | 体質改善やホルモンバランスの調整に有効なことも |
ストレス管理 | 心理的要因へのアプローチ(カウンセリングなど) |
よくある質問(Q&A)
- Q. 月経があっても無排卵の可能性はありますか?
- A. はい、あります。無排卵でもエストロゲンの影響で子宮内膜が厚くなり、出血が起こることがあります。
- Q. 無排卵は自然に治ることがありますか?
- A. 軽度であれば、生活改善などにより自然に排卵が回復することもありますが、慢性的な場合は医師の診断と治療が必要です。
- Q. 不妊の原因になりますか?
- A. はい、排卵がなければ妊娠が成立しないため、不妊の大きな要因になります。
- Q. 妊娠を希望していますが、まず何をすればよいですか?
- A. 婦人科でホルモン検査や超音波検査を受け、排卵の有無や原因を調べることが大切です。
まとめ:無排卵周期症に気づくことが健康への第一歩
無排卵周期症は見落とされがちですが、女性の健康や妊娠に大きな影響を与える疾患です。月経が正常に見えても、排卵が起こっていない可能性は十分にあります。基礎体温をつける習慣を持ち、違和感があればすぐに婦人科を受診することが大切です。早期発見・早期治療により、将来の妊娠や健康への備えになります。