痔核(いぼ痔)

痔核(いぼ痔)は、多くの人が悩む肛門の疾患の一つです。便秘や長時間の座位、妊娠・出産などが原因となり、日本人の約2人に1人が一度は経験するといわれています。この記事では、痔核の原因や症状、予防法、治療方法について詳しく解説します。日常生活でできる対策も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

痔核(いぼ痔)とは?

痔核とは、肛門周辺の血管がうっ血し、こぶのようにふくらんだ状態をいいます。「いぼ痔」とも呼ばれ、内痔核と外痔核の2種類があります。

種類 症状の特徴 位置
内痔核 痛みは少ないが出血があることが多い 肛門の内側
外痔核 痛みが強く、腫れや違和感が出やすい 肛門の外側

痔核の原因とは?

痔核の主な原因は以下のとおりです。生活習慣や体質により発症しやすくなる傾向があります。

  • 便秘や下痢による肛門への刺激
  • 長時間の座位や立ちっぱなし
  • 妊娠・出産による骨盤内の圧力上昇
  • 加齢による筋力低下
  • アルコールや辛い食べ物の摂取過多

痔核の症状と進行段階

痔核は進行度によって症状が異なります。以下に段階別の特徴をまとめました。

段階 症状
Ⅰ度 排便時に出血があるが、脱出はない
Ⅱ度 排便時に脱出するが、自然に戻る
Ⅲ度 排便時に脱出し、手で戻す必要がある
Ⅳ度 常に脱出しており、戻らない

痔核の治療方法

痔核の治療は、症状の重さによって異なります。軽度であれば生活習慣の改善や市販薬での対処が可能ですが、重度の場合は手術が必要になることもあります。

保存的治療(初期〜中程度)

  • 食物繊維の多い食事を摂る
  • 排便習慣の改善
  • 温水洗浄便座の活用
  • 市販の座薬や軟膏の使用

外科的治療(重度〜慢性化)

  • ゴム輪結紮術(内痔核に対する処置)
  • 注射療法(ALTA療法など)
  • 痔核切除術(外痔核や進行した内痔核)

痔核を予防する生活習慣

痔核は予防することも可能です。以下のような生活習慣の見直しが重要です。

  1. 毎日水分をしっかり摂る
  2. 食物繊維を豊富に摂る(野菜・海藻・果物など)
  3. 長時間座りっぱなしにならない(1時間に1回は立つ)
  4. トイレに長時間こもらない
  5. ウォシュレットで清潔を保つ

痔核に関するQ&A

Q1. 痔核は自然に治ることがありますか?

A. 軽度の場合は生活改善や市販薬で自然に改善することがありますが、根本的な治癒のためには医師の診断と治療が必要です。

Q2. 妊娠中に痔核ができても治療できますか?

A. 妊娠中でも使用できる薬や処置がありますが、必ず医師に相談して適切な治療を受けましょう。

Q3. 痔核と痔ろう、切れ痔の違いは?

A. 痔核はいぼのような腫れ、切れ痔は肛門の裂け、痔ろうは肛門の奥から膿が出る状態です。見た目や症状が異なります。

Q4. 病院ではどんな検査をされますか?

A. 肛門診、触診、必要に応じて内視鏡検査が行われます。恥ずかしがらず、早めの受診が重要です。

まとめ

痔核(いぼ痔)は、誰でもなりうる身近な疾患です。初期のうちに気づき、生活習慣を見直すことで悪化を防ぐことが可能です。自己判断で放置せず、必要に応じて医療機関を受診しましょう。

ポイントまとめ:

  • 痔核は「内痔核」「外痔核」の2種類がある
  • 原因は便秘、長時間の座位、妊娠など多岐にわたる
  • 症状の進行に応じた段階的治療が必要
  • 日常の生活改善で予防・軽減できる
  • 恥ずかしがらずに医師に相談することが大切

あなたや大切な人が快適な日常を過ごすためにも、正しい知識と予防を心がけましょう。

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