妊娠中に出血や腹痛があると、不安でいっぱいになりますよね。特に「絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)」と診断されると、妊娠の継続に影響するのではと心配される方が多いです。本記事では、絨毛膜下血腫の原因・症状・治療・日常生活の注意点などを、分かりやすく解説します。
絨毛膜下血腫とは?
絨毛膜下血腫とは、妊娠初期に見られる出血性疾患の一つで、胎盤の基になる「絨毛膜」と子宮内膜の間に血液がたまる状態を指します。主に妊娠5週〜12週ごろに発見されることが多く、エコー検査で診断されます。
項目 | 内容 |
---|---|
発症時期 | 妊娠5週〜12週ごろ |
主な症状 | 性器出血、下腹部痛、無症状のケースも |
原因 | 明確な原因は不明。受精卵の着床や血管の破綻が要因とされる。 |
診断方法 | 経膣エコーによる画像診断 |
治療法 | 安静療法・経過観察が基本 |
原因とメカニズム
絨毛膜下血腫の明確な原因は解明されていませんが、受精卵が子宮内膜に着床する際に、絨毛が子宮壁にうまく接着できず、微細な血管が破れることで血液がたまり、血腫が形成されると考えられています。
以下は、絨毛膜下血腫の発生メカニズムを示した図解です(イメージ):
- 受精卵が子宮内膜に着床
- 絨毛が子宮壁に密着しきれず小さな血管が破れる
- 血液が絨毛膜と子宮内膜の間にたまる
症状と注意すべきサイン
絨毛膜下血腫の症状には個人差があります。以下のようなサインが見られる場合は、すぐに産婦人科を受診しましょう。
- 性器出血(茶色〜赤色)
- 下腹部の鈍痛または張り感
- 大量出血や急激な腹痛(緊急受診対象)
- なお、症状が全くない「無症候性血腫」も存在します。
治療法と医師の指導内容
多くの場合、絨毛膜下血腫は自然に吸収されて消えるため、特別な治療を必要としません。しかし、妊娠経過や血腫の大きさに応じて、以下のような指導が行われます。
状態 | 指導内容 |
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血腫が小さい | 自宅安静・定期的な超音波検査 |
中〜大きめの血腫 | 自宅安静+張り止めの内服(ウテメリンなど) |
出血が続く | 入院管理や点滴治療も検討 |
日常生活で気をつけるべきポイント
絨毛膜下血腫と診断された場合、生活習慣の見直しが重要です。以下に注意点をまとめました。
- 無理な家事・運動は避ける
- 性交渉は控える
- 職場復帰や外出は医師と相談のうえ判断
- 出血が止まっても油断せず、経過観察を継続しましょう。
Q&A:よくある質問
- Q. 絨毛膜下血腫があると流産のリスクは高くなりますか?
- A. 血腫の大きさや位置によってリスクが異なります。小さな血腫であれば問題なく妊娠を継続できるケースが多いです。
- Q. どれくらいで自然に消えるの?
- A. 個人差がありますが、数週間〜2ヶ月程度で自然吸収されることが多いです。
- Q. 安静とは具体的に何をすれば良い?
- A. 横になって休む時間を多く取り、なるべく立ち仕事・移動を避けてください。トイレ・食事以外は横になっていることが望ましいです。
まとめ:不安なときは医師に相談を
絨毛膜下血腫は妊娠初期によく見られる一時的なトラブルです。多くのケースでは、自然に吸収され、無事に出産を迎えることができます。
不安なとき、症状が気になるときは、ためらわず医師に相談しましょう。安心して妊娠生活を送るためにも、正しい知識と冷静な対応が大切です。