緑内障

緑内障は、日本人の失明原因の上位を占める重大な眼疾患です。早期発見と治療が視力を守るカギとなりますが、自覚症状が乏しいため気づきにくいのが特徴です。本記事では、緑内障の基礎知識から症状、原因、治療法、予防まで詳しく解説し、疑問を解消するQ&Aもご用意しました。ぜひ参考にしてください。

1. 緑内障とは何か?

緑内障は眼圧の異常により視神経が障害され、視野が徐々に狭くなる病気です。治療をしないと視力低下、最悪の場合は失明に至ることもあります。日本では40歳以上の約5%が罹患しているといわれています。

2. 緑内障の種類と特徴

種類 特徴 主な症状
原発開放隅角緑内障 ゆっくり進行し自覚症状が少ない 視野の一部が欠ける(初期は気づきにくい)
原発閉塞隅角緑内障 急激に眼圧が上昇し激しい痛みが出る 目の痛み、頭痛、吐き気、視力低下
続発緑内障 他の眼疾患や外傷が原因で発症 原因疾患により異なる
正常眼圧緑内障 眼圧は正常範囲でも視神経が障害される ゆっくり視野狭窄が進行

3. 緑内障の原因とリスクファクター

緑内障は眼圧の上昇が主な原因ですが、眼圧が正常でも発症するケースもあります。以下に主な原因とリスクファクターをまとめました。

原因・リスクファクター 説明
眼圧上昇 眼内の房水の流れが悪くなり眼圧が上がる
加齢 年齢が上がるほど発症リスクが高まる
遺伝的素因 家族に緑内障患者がいる場合リスク増大
近視 強度近視は緑内障発症のリスクが高い
糖尿病・高血圧 全身疾患が視神経への血流を悪化させる

4. 緑内障の症状と早期発見のポイント

緑内障は初期段階で自覚症状がほとんどないため、定期的な検査が不可欠です。進行すると視野欠損が生じますが、気づいたときにはかなり進行していることもあります。以下は主な症状です。

  • 視野の一部が欠ける(トンネル視野)
  • 視力低下(進行期)
  • 目の痛みや充血(急性の場合)
  • 光がまぶしく感じる
  • 頭痛や吐き気(急性緑内障発作時)

早期発見のためには、40歳を過ぎたら年に1回の眼科検診をおすすめします。

5. 緑内障の治療法と生活上の注意点

緑内障は一度失われた視神経を元に戻すことはできませんが、治療で進行を遅らせることは可能です。治療法と生活上のポイントを紹介します。

治療法 説明 特徴・メリット
点眼薬 眼圧を下げるための薬剤(例:プロスタグランジン系、β遮断薬) 最も一般的で副作用も少ない
レーザー治療 房水の流れを改善し眼圧を下げる 痛みが少なく短時間で終了
手術療法 眼圧を下げるために房水排出路を作る 重症例や薬物療法無効時に実施

生活上の注意点

  • 定期的な眼科受診を継続する
  • 規則正しい生活とバランスの良い食事を心がける
  • 過度なストレスや激しい運動は控える
  • 目を酷使しすぎない
  • 自己判断で点眼薬の中断や変更をしない

6. 緑内障に関するよくある質問(Q&A)

Q1: 緑内障は治りますか?
現時点では完全に治すことはできませんが、早期発見と適切な治療で進行を遅らせることが可能です。
Q2: 眼圧が正常でも緑内障になることはありますか?
はい、正常眼圧緑内障というタイプがあり、眼圧が正常でも視神経障害が進行します。
Q3: 緑内障の検査にはどんなものがありますか?
眼圧検査、視野検査、眼底検査、光干渉断層計(OCT)検査などがあります。
Q4: 日常生活でできる予防法はありますか?
規則正しい生活、禁煙、適度な運動、定期的な眼科受診が効果的です。
Q5: 緑内障患者は車の運転ができますか?
視野が十分であれば可能ですが、視野欠損が進行すると安全のため制限されることがあります。医師に相談してください。

まとめ

緑内障は視神経を徐々に損傷し、失明に至る恐れのある疾患ですが、早期発見と適切な治療で進行を食い止めることができます。40歳以上の方は特に定期的な眼科検診を受けることが重要です。症状に気づきにくい病気だからこそ、日頃の予防と専門医の指導を大切にしてください。

当記事が緑内障の理解と予防の一助となれば幸いです。

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