「急に子どもの腕が動かなくなった!」そんなとき、慌てずに対処したいのが「肘内障(ちゅうないしょう)」です。本記事では、肘内障の原因、症状、治療法、予防法まで徹底的に解説します。子育て中のご家庭にとって必見の内容となっています。
肘内障とは?
肘内障とは、子ども(特に1歳〜5歳)によく起こる肘関節の脱臼の一種です。正式には「橈骨頭(とうこつとう)亜脱臼」と呼ばれ、腕を引っ張られることで発生します。
なぜ子どもに多いの?
子どもの関節や靱帯は未発達のため、大人よりも簡単に脱臼しやすい構造をしています。そのため不意の腕引っ張りなどで簡単に肘内障が起こります。
肘内障の原因
日常生活の中に原因は潜んでいます。以下のようなシーンが代表的です。
原因となる行動 | 具体例 |
---|---|
腕を引っ張る | 歩かない子を強引に歩かせようとする |
手を持って持ち上げる | 遊びで子どもを両腕で持ち上げる |
転倒時の反射 | 転びかけて親が腕を掴む |
肘内障の症状
肘内障になると、以下のような症状がみられます。
- 腕をだらんと垂らして動かさない
- 痛がって泣くが、腫れや内出血は少ない
- 特に手のひらを上に向けられない(回外障害)
ポイント:本人は肘が痛いというより、「手を動かせない」と感じていることが多いです。
肘内障の治療法
治療は整形外科などでの徒手整復(てのひらで戻す手技)によりすぐに回復します。通常は1秒程度の処置で完了します。
整復の流れ
- 肘を曲げながら手のひらを上に回す
- 「コリッ」「クキッ」という音とともに整復
- 数分〜10分で動かせるようになる
注意:自己判断で整復を試みるのは危険です。必ず医療機関を受診しましょう。
肘内障の予防法
子どもの肘内障を予防するには、日頃の接し方に注意が必要です。
NG行動 | 代替案 |
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腕を引っ張る | 手首ではなく、脇の下から抱き上げる |
両手を持ってブランコ遊び | 膝に乗せて抱っこ遊びに変更 |
歩かないとき引っぱる | 声かけで誘導、抱っこを選択 |
よくあるQ&A
- Q1. 肘内障はクセになる?
- A. はい。一度肘内障になったお子さんは、再発する可能性が高くなります。予防が重要です。
- Q2. 自然に治ることはある?
- A. まれに自然に整復されることもありますが、基本的には病院での整復が必要です。
- Q3. 整形外科と小児科、どちらを受診すべき?
- A. 両方で対応可能ですが、整形外科の方が専門的に処置できる場合が多いです。
- Q4. 肘内障を放置するとどうなる?
- A. 放置により痛みや可動域の制限が長引く可能性があります。早めの受診が大切です。
まとめ
肘内障は子どもにとって非常に起こりやすい外傷のひとつです。しかし、早期に適切な対応をすれば、後遺症もなくすぐに回復できます。
- 腕を引っ張らないように注意
- 肘内障が疑われたら整形外科へ
- 再発しやすいので予防が大切
子どもとの日常の中で、ほんの少しの心がけが大きなトラブルを防ぎます。「おかしいな」と思ったら早めに医療機関を受診しましょう。