胃アニサキス症

刺身や寿司が好きな方にとって気になる存在、それが「アニサキス」。アニサキスによる胃アニサキス症は、激しい腹痛を引き起こすことでも知られています。この記事では、胃アニサキス症の原因・症状・予防策・治療法について詳しく解説します。魚介類を安心して食べるための知識を身につけましょう。

胃アニサキス症とは?

胃アニサキス症とは、寄生虫「アニサキス」の幼虫が人間の胃壁に侵入して発症する急性の食中毒です。主に生の魚介類(特にサバ、アジ、イカ、サンマ、サケなど)を摂取した際に感染します。

アニサキスの正体

アニサキスは、線虫類に属する寄生虫です。成虫は海洋哺乳類(クジラやイルカ)の胃内に寄生し、卵は海中で孵化、オキアミに感染したのち、魚類やイカなどに移行します。人間は本来宿主ではないため、アニサキスは人の体内では成虫になれません。

主な症状と発症のタイミング

アニサキス幼虫が胃壁に刺入することで、強い炎症反応と激しい痛みを引き起こします。

胃アニサキス症の主な症状と発症時間
症状 詳細 発症タイミング
激しいみぞおちの痛み 突然、差し込むような鋭い痛み 食後数時間以内(通常2~8時間)
吐き気・嘔吐 消化器系の反応により嘔吐を伴うことも 痛みとほぼ同時に発生
発熱(まれ) 軽度の発熱があるケースも 初期症状の後に続くことがある

感染原因となる魚介類

以下のような魚介類はアニサキスの寄生率が比較的高いとされています。

  • サバ(特にしめ鯖)
  • イカ(刺身や塩辛)
  • サンマ
  • アジ
  • サケ(特に生食)
  • カツオ

予防方法:どうすれば感染を防げる?

胃アニサキス症は予防が可能な食中毒です。以下の対策をとることで、感染リスクを大幅に下げられます。

アニサキス予防のための調理・保存ポイント

アニサキスの予防法まとめ
方法 具体的な内容 効果
冷凍処理 -20℃で24時間以上冷凍する アニサキスは死滅する
加熱処理 中心温度60℃で1分以上加熱 完全に殺虫できる
目視で除去 魚の内臓・筋肉をよく観察して取り除く 予防効果はあるが完全ではない
早めの調理 購入後すぐに内臓を取り除く 内臓から筋肉への移動を防ぐ

胃アニサキス症の治療方法

アニサキスが原因の痛みは非常に強いため、医療機関での処置が必要です。自然治癒することもありますが、以下の治療が一般的です。

  • 内視鏡によるアニサキス除去(最も確実)
  • 対症療法(鎮痛剤や制吐薬など)
  • 稀に手術(腸閉塞など合併症がある場合)

Q&A:よくある質問

Q. アニサキスに感染した魚を食べたら必ず発症するの?

A. いいえ。すべてのケースで症状が出るわけではありません。胃壁に刺入しない限りは無症状のこともあります。

Q. 酢で〆た魚は大丈夫ですか?

A. 酢ではアニサキスは死滅しません。しめ鯖などでも感染例が報告されています。

Q. 自宅で刺身を作るときの注意点は?

A. 冷凍処理をし、内臓を早めに除去することが大切です。また目視で白い糸状の虫がいないかチェックしましょう。

Q. 胃アニサキス症と間違えやすい病気は?

A. 胃潰瘍、胆石、急性胃腸炎などが似た症状を引き起こします。痛みが強い場合はすぐに医療機関へ。

まとめ

胃アニサキス症は、魚介類を生で食べる文化がある日本において注意すべき食中毒です。アニサキスの予防には「冷凍」「加熱」「目視除去」「早期処理」が効果的です。寿司や刺身を安全に楽しむためにも、正しい知識を身につけましょう。痛みや違和感を感じた際は、早めの受診が鍵になります。

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