脚気(かっけ)は、ビタミンB1の欠乏によって起こる疾患で、現代ではあまり聞かれなくなった病気と思われがちですが、偏った食生活や過度なダイエット、アルコール依存などによって発症するケースが今も存在します。この記事では、脚気の症状や原因、予防方法、治療法まで詳しく解説します。
脚気とは?
脚気は、ビタミンB1(チアミン)が不足することで神経や心臓に障害が起きる病気です。かつては白米中心の食生活が原因で日本でも多く見られました。現在では栄養状態の改善により減少しましたが、栄養バランスの偏りや特定の生活習慣により再び注目されています。
脚気の主な症状
脚気には以下のような症状が現れます。
分類 | 主な症状 |
---|---|
神経性脚気 | 手足のしびれ、筋力低下、歩行困難 |
心臓性脚気 | 動悸、息切れ、むくみ、心不全 |
ウェルニッケ脳症 | 意識障害、眼球運動障害、運動失調(重症例) |
これらの症状が現れた場合、早急な医療機関での診察が必要です。
脚気の原因とリスク要因
脚気は主にビタミンB1の不足によって起こります。以下のような原因があります。
- 白米中心の偏った食生活
- アルコールの過剰摂取(吸収障害を起こす)
- 妊娠・授乳期の需要増加
- 消化器疾患による吸収障害
- 高齢者や長期入院患者
ビタミンB1を多く含む食品
脚気を防ぐには、日常的にビタミンB1を含む食品を摂取することが大切です。
食品 | 含有量(mg/100g) |
---|---|
豚肉(ヒレ) | 0.98 |
玄米 | 0.41 |
大豆 | 0.83 |
うなぎ | 0.75 |
ごま | 0.95 |
脚気の予防と対策
脚気を予防するには、以下のポイントが重要です。
- バランスのとれた食生活を心がける
- 精製されすぎた白米を避け、雑穀や玄米を取り入れる
- ビタミンB1の吸収を妨げるアルコールを控える
- ストレスをためず、規則正しい生活を送る
特に高齢者や妊婦、アルコールを日常的に摂取している方は注意が必要です。
脚気は治るの?治療法について
脚気は早期発見と適切な治療により回復が可能な疾患です。
- 軽度の場合: 食事によるビタミンB1の補給で改善
- 中度〜重度の場合: ビタミンB1の注射やサプリメントによる治療
- 重症例: 入院治療が必要となることも
症状を感じた場合、放置せず医師の診察を受けることが重要です。
脚気に関するQ&A
- Q:脚気はどのくらいで治りますか?
- A:軽症であれば数日〜1週間ほどで改善しますが、重度の場合は数週間〜数ヶ月かかることもあります。
- Q:脚気は再発しますか?
- A:ビタミンB1不足が解消されていなければ再発の可能性があります。再発防止のために食生活を見直しましょう。
- Q:子供でも脚気になりますか?
- A:はい。特に人工乳を与えている場合や、偏食傾向のある子供は注意が必要です。
- Q:サプリメントだけで予防できますか?
- A:サプリメントは補助的な手段です。基本はバランスのとれた食事を心がけましょう。
まとめ
脚気は昔の病気と思われがちですが、現代でも栄養バランスの乱れや特定の生活習慣によって発症することがあります。特にビタミンB1の不足には注意が必要です。日頃からバランスのとれた食事を心がけ、体のサインに耳を傾けることが大切です。もし脚気の症状に心当たりがある場合は、早めに医療機関で相談しましょう。