「排便時に強い痛みを感じる」「便に血が混じる」──そんな症状に心当たりがある方は、裂肛(れっこう)、いわゆる「切れ痔」の可能性があります。放っておくと慢性化することもあり、生活の質を大きく下げる原因に。この記事では、裂肛の症状・原因・治療法などを詳しく解説し、予防方法もご紹介します。
裂肛(切れ痔)とは?
裂肛とは、肛門の皮膚(肛門上皮)が裂けてしまう病気で、一般的には「切れ痔」と呼ばれます。排便時に紙に血が付いたり、強い痛みを伴ったりすることが特徴です。
特に、硬い便や頻繁な下痢が原因で肛門に負担がかかり、皮膚が裂けてしまうケースが多く見られます。
裂肛の主な症状
裂肛の代表的な症状を以下の表にまとめました。
症状 | 詳細 |
---|---|
排便時の痛み | 鋭い痛みが排便中・排便後に続くことがあります |
出血 | トイレットペーパーに血が付く程度の少量出血が多い |
肛門のかゆみ | 傷の治癒過程でかゆみを感じることも |
慢性化による潰瘍 | 繰り返すと潰瘍化し、肛門ポリープや見張りイボができることも |
裂肛の原因とリスク要因
裂肛を引き起こす主な原因は以下の通りです。
- 硬便や便秘:強くいきむことで肛門が裂けやすくなります
- 下痢:肛門への刺激が多く、炎症を起こしやすい
- 出産:妊娠・出産時に肛門に負担がかかることが多い
- ストレスや食生活の乱れ:腸内環境の悪化により便の状態が悪くなる
以下は、裂肛の原因と関連するリスク要因をまとめた表です。
原因 | リスク要因 |
---|---|
便秘 | 水分不足、食物繊維不足、運動不足 |
下痢 | 冷え、腸炎、ストレス |
妊娠・出産 | 出産時の強いいきみ |
裂肛の治療法
裂肛の治療法は症状の進行度によって異なります。
◆ 軽度の場合(急性裂肛)
- 食事改善(食物繊維の摂取、水分補給)
- 排便習慣の見直し
- 座薬や軟膏(局所麻酔薬・血行促進薬)
◆ 慢性裂肛の場合
- 上記に加え、内視鏡的治療や手術が必要になることも
- 肛門括約筋の緊張を和らげる「外科的切開」などの処置
裂肛の予防法
裂肛の予防には、便の状態を健康に保つことが最も重要です。
予防のポイント
- バランスの取れた食事(野菜・海藻・果物など)
- 水分をこまめに摂取
- 適度な運動(腸の働きを促進)
- 毎日決まった時間に排便(トイレ習慣の定着)
- ストレス管理
よくある質問(Q&A)
Q. 裂肛は自然に治ることもありますか?
A. 軽度の裂肛であれば、生活習慣の見直しや軟膏の使用で自然治癒することがあります。ただし、痛みや出血が続く場合は早めの受診が必要です。
Q. 裂肛と痔核(いぼ痔)はどう違うの?
A. 裂肛は肛門の皮膚が裂けることが原因で、痔核はいぼのように腫れる血管の異常です。治療法も異なるため、症状が似ていても専門医による診断が必要です。
Q. 市販薬で治療は可能?
A. 軽症であれば市販の軟膏や座薬で対応できることもありますが、慢性化している場合は医師の処方薬や処置が必要です。
まとめ
裂肛(切れ痔)は、排便時の痛みや出血といった不快な症状を引き起こしますが、早期発見と適切な対処で多くは改善可能です。便秘や下痢の予防、規則正しい生活が症状の緩和と予防に直結します。
違和感を感じたら、恥ずかしがらずに肛門科や消化器科を受診しましょう。