骨髄炎

骨髄炎(こつずいえん)は、骨や骨髄に細菌などが感染し炎症を起こす病気です。進行すると骨の破壊や重篤な合併症を引き起こす可能性もあるため、早期の診断と適切な治療が重要です。

この記事では、骨髄炎の種類、原因、症状、治療方法、予防法までをわかりやすく解説します。気になる疑問にもQ&A形式で答えていますので、ぜひ最後までご覧ください。

骨髄炎とは?基本的な概要

骨髄炎は骨の内部や骨髄に細菌が侵入し、炎症を起こす疾患です。小児から高齢者まで幅広い年代で発症する可能性があります。

分類 特徴
急性骨髄炎 突然発症し、発熱や腫れなどの症状が出現。小児に多い。
慢性骨髄炎 長期間にわたり炎症が続く。成人に多く、治療が長引くことがある。

骨髄炎の主な原因とは?

骨髄炎の原因の多くは細菌感染です。以下のような経路で細菌が骨に到達します。

  • 血行性感染:血流に乗って菌が骨に達する。小児に多い。
  • 外傷・手術後感染:骨折や手術部位から細菌が侵入。
  • 隣接組織からの波及:糖尿病性足潰瘍や褥瘡などから波及。

最も一般的な原因菌は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)です。

骨髄炎の症状チェックリスト

症状は急性と慢性で異なります。以下のような症状が現れた場合、早急に医療機関を受診しましょう。

急性骨髄炎の症状

  • 高熱(38℃以上)
  • 患部の激しい痛み
  • 発赤・腫れ・熱感
  • 関節の動きの制限

慢性骨髄炎の症状

  • 痛みや腫れの反復
  • 瘻孔(ろうこう:膿の出口)ができる
  • 発熱はあまり見られない
  • 骨の変形や機能障害

骨髄炎の診断と検査方法

骨髄炎の診断には、以下の検査が用いられます。

検査名 内容・目的
血液検査 炎症反応(CRP、白血球数)の確認
MRI 骨の内部構造や炎症範囲の詳細確認
骨シンチグラフィー 骨代謝の異常を画像で捉える
骨生検 感染菌の特定と薬剤感受性試験

骨髄炎の治療方法と予後

治療は急性・慢性、感染の重症度によって異なります。

1. 抗菌薬療法

  • 静脈注射で2〜6週間投与
  • その後は内服薬へ切り替え
  • 黄色ブドウ球菌に対するバンコマイシンなどが用いられる

2. 外科的治療

  • 膿瘍(うみ)や壊死組織の除去
  • 瘻孔の切除・再建
  • 骨移植やプレート固定が必要な場合もある

予後について

急性骨髄炎は早期治療により完治も可能です。
しかし慢性化した場合は再発や骨変形のリスクがあり、長期管理が必要です。

骨髄炎に関するよくある質問(Q&A)

Q1. 骨髄炎はうつりますか?

A. いいえ。骨髄炎は感染症ではありますが、他人にうつることはほとんどありません。

Q2. 骨髄炎は自然に治ることがありますか?

A. 基本的にはありません。自然治癒は難しく、放置すると慢性化や骨の破壊が進む危険があります。

Q3. 子どもがよく骨髄炎になるのはなぜ?

A. 小児は成長期のため血流が豊富で、細菌が骨に届きやすく急性骨髄炎を起こしやすいです。

Q4. 再発の予防策はありますか?

A. 感染症全般の予防(手洗い・清潔な傷の処置)、糖尿病管理、定期的な医療チェックが重要です。

まとめ:骨髄炎は早期対応が鍵!

骨髄炎は命に関わることもある深刻な感染症ですが、早期に発見し適切な治療を行えば予後は良好です。

  • 骨や関節の痛み・腫れ・発熱が続く場合は早めに受診
  • 医師の指示に従って抗菌薬治療を継続
  • 生活習慣や衛生管理で予防に努めましょう

少しでも異変を感じたら、医療機関を受診して正確な診断を受けることが何よりも大切です。

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