命に関わる緊急疾患「敗血症」をご存じですか?
敗血症は、感染症によって引き起こされる全身の炎症反応であり、放置すると多臓器不全やショックに至る恐れがあります。この記事では、敗血症の基本知識から、症状、原因、治療法、予防方法までをわかりやすく解説します。早期発見と正しい知識が生死を分けることもあるため、ぜひご一読ください。
敗血症とは?
敗血症(はいけつしょう、Sepsis)とは、体内に侵入した細菌やウイルスなどの病原体に対して、免疫系が過剰に反応し、全身性の炎症反応を引き起こす病態です。
感染症が原因となるため、風邪や尿路感染、肺炎などが重症化することで発症することがあります。世界中で毎年数百万人が敗血症により亡くなっており、日本でも高齢者を中心に年間10万人以上が発症しているとされています。
敗血症の定義(Sepsis-3)
2016年に改訂された「Sepsis-3」による定義では、敗血症は以下のように定義されています:
「感染に対する異常な宿主反応により、生命を脅かす臓器障害を引き起こす状態」
主な症状
敗血症の症状は多岐にわたります。以下のような症状が見られる場合、早急な医療機関の受診が必要です。
症状 | 具体的な内容 |
---|---|
発熱または低体温 | 38℃以上または36℃未満 |
頻脈 | 心拍数が90/分以上 |
呼吸数の増加 | 22回/分以上 |
意識障害 | 混乱、反応が鈍い |
血圧低下 | 収縮期血圧が100mmHg未満 |
特に高齢者や基礎疾患を持つ方は症状が出にくいこともあるため注意が必要です。
原因となる疾患・感染源
敗血症は、様々な感染症が原因で起こります。主な感染源は以下の通りです:
- 肺炎(肺が感染する):高齢者に多い
- 尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎など)
- 腹膜炎・消化器感染
- 皮膚感染(蜂窩織炎など)
- カテーテルや点滴などの医療器具感染
これらの感染症が適切に治療されない場合、血流に病原体が入り全身に拡がることで敗血症に至ります。
敗血症の診断方法
医師は、次のような手法で敗血症を診断します:
- 血液検査:白血球数、CRP、プロカルシトニン(PCT)などの炎症マーカーを確認
- 血液培養:感染源の菌種を特定する
- SOFAスコア:臓器障害の有無を点数化
- qSOFAスコア:簡易評価(呼吸数、意識レベル、血圧)
治療方法
敗血症の治療は時間との戦いです。主な治療方法は以下の通りです。
治療法 | 内容 |
---|---|
抗菌薬の投与 | 感染源に応じた適切な抗菌薬を速やかに使用 |
輸液・補液 | 血圧維持や脱水予防のため |
感染源のコントロール | 膿瘍のドレナージや器具の除去 |
集中治療 | ICUでの全身管理(呼吸管理、血圧維持など) |
治療が早ければ早いほど、死亡率は大きく下がります。
予防方法と日常生活の注意点
敗血症は予防が非常に重要です。以下のような対策が有効です:
- 感染症を早期に治療する
- ワクチン接種(肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチン)
- 手洗い・うがいを徹底する
- 傷の手当を適切に行う
- 高齢者や免疫力の弱い方は定期的な健診を受ける
Q&A:敗血症に関するよくある質問
- Q1. 敗血症はうつりますか?
- 敗血症自体は人から人へ感染しません。ただし、原因となった感染症(インフルエンザや肺炎など)が感染する可能性はあります。
- Q2. 敗血症の回復にはどれくらいかかりますか?
- 軽症であれば数日で回復する場合もありますが、中等症〜重症の場合は数週間の入院治療が必要になることもあります。
- Q3. 子どもや若者も敗血症になりますか?
- はい。乳児や免疫力の低下した若者でも敗血症になることがあります。特に細菌性髄膜炎やウイルス感染後の合併症に注意が必要です。
まとめ:敗血症は早期発見と予防がカギ
敗血症は、誰にでも起こりうる危険な感染症による合併症です。早期の対応が命を救うカギとなります。以下のポイントを押さえておきましょう:
- 敗血症は全身性の炎症反応であり、放置は危険
- 発熱や意識障害など、異常を感じたらすぐに医療機関へ
- 感染症予防が最大の防御策
自分自身だけでなく、大切な家族や周囲の人の命を守るためにも、敗血症について正しい知識を持ちましょう。