マイコプラズマ肺炎の感染経路と流行時期
1. 感染経路
マイコプラズマ肺炎は主に飛沫感染と接触感染によって広がります。
- 飛沫感染:感染者の咳やくしゃみに含まれる病原体が空気中に飛び散り、それを吸い込むことで感染します。
- 接触感染:感染者が触れたドアノブ、手すり、おもちゃなどに付着した病原体に触れ、その手で口や鼻を触ることで感染します。
マイコプラズマは潜伏期間が2~3週間と非常に長いため、感染源を特定するのが難しく、知らない間に家庭内に持ち込まれることが多いのが特徴です。
2. 流行時期
マイコプラズマ肺炎は、季節を問わず発生しますが、一般的に秋から冬にかけて(初冬)に患者数が増加し、流行のピークを迎える傾向があります。
3. 家庭内感染を防ぐ「手洗い以上」の対策
マイコプラズマは飛沫・接触感染で広がるため、手洗いやマスクは基本ですが、潜伏期間の長さや感染力の強さを考慮し、以下の対策を徹底することが重要です。
対策①:咳エチケットの徹底と分離
最も重要なのは、咳による飛沫の拡散を防ぐことです。
- マスクの着用:感染者(特に咳症状がある人)は、家庭内でもできる限りマスクを着用しましょう。
- 空間の分離:可能であれば、感染者と非感染者の寝室や生活空間を分け、タオルや食器を別々にするなどの対策も有効です。
対策②:こまめな「環境消毒」
接触感染を防ぐため、共有スペースの消毒を徹底します。
- 消毒箇所:特に家族が頻繁に触れる場所(ドアノブ、電気のスイッチ、水道の蛇口、リモコン、おもちゃなど)をこまめに清掃・消毒します。
- 消毒方法:マイコプラズマには、アルコール消毒液や次亜塩素酸ナトリウム(家庭用漂白剤を希釈したもの)が有効です。
対策③:適切な「換気」と「加湿」
室内環境を整えることで、空気中の病原体の濃度を下げ、粘膜の防御機能を高めます。
- 定期的な換気:室内の空気を入れ替えるため、1時間に数分程度窓を開けて換気を行いましょう。
- 加湿の徹底:空気が乾燥すると、喉や気管支の粘膜が乾燥し、病原体が侵入しやすくなります。加湿器などを使用し、室内の湿度を50~60%に保ちましょう。
これらの対策を家族全員で徹底することが、マイコプラズマの家庭内感染を防ぐ鍵となります。
