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増え続ける肝臓病患者

かつて肝臓病の治療は、どんな病気であれ「高カロリー・高たんぱく」の食事療法と言われていました。しかし今日では、同じ食事療法であっても病気の原因や進行状況、個人の生活習慣などによって、その内容は変わるようになっています。

また、「肝臓病=お酒の飲み過ぎ」という図式も否定されています。お酒をまったく飲まなくても肝臓病は発症しますし、肝臓病の発症要因の90%以上が、ウィルスの感染によるものだということもわかってきました。そして、驚くべき数字も上げられています。

推定300万人以上

この膨大な数字は、肝臓病を引き起こす肝炎ウィルスに感染していると考えられる日本人の総数です。さらに驚かされるのは、この数字には、肝炎ウィルスにかんせんしていることに、まったく気づいていない人が多数含まれているということです。その中には、ウィルスに感染していても病気をまったく発症していない人もいれば、発症していてもそれを自覚していない人もいます。

これらの人たちが感染の有無を知るきっかけとなるのが、健康診断での血液検査です。肝臓に関係する検査項目に異常があれば、「飲み過ぎかなぁ」かどと軽く考えずに、病院で詳しく検査することをお勧めします。もしかすると、即治療が必要な肝臓病を発症しているかもしれません。

当サイトでは、肝臓のさまざまな働き肝臓病の種類とその原因、そして病状に合った食事療法のポイントや効果的な食材をまとめました。

ぜひ、当サイトを活用して、肝臓病の早期発見、生活習慣や食事内容の改善に取り組み、私たちの生命維持に欠かせない重要な臓器である肝臓を大切にしてください。

肝臓は体内の化学工場

肝臓は、人間の内臓の中で一番大きな臓器です。その質量は1.2〜1.5キログラムもあり、じつは脳よりも大きくて重いのです。肝臓が心臓よりも大きい臓器だと知っていた方も多いと思いますが、脳より大きくて重いとは知らなかったのではないでしょうか。脳に勝るとも劣らない、肝臓はそれだけ重要な臓器なのです。

肝臓の中には300億以上もの肝細胞があり、それらは約50万個ずつ集まって「肝小葉」という組織を形成しています。この肝小葉の集合体が肝臓であり、構成する肝小葉の数は10万以上にもなります。そしてこの肝臓では、2000種類以上ものさまざまな酵素によって栄養素の代謝・蓄積や有害な毒素の解毒などが行われており、私たちの健康を支えています。

「肝臓は体内にある化学工場」などといわれるのは、こうした大切な働きをしているからなのです。

肝臓は代謝・解毒・胆汁の生成を行う

「体内にある化学工場」ともいわれる肝臓には、私たちの生命活動に不可欠な「代謝」「解毒」「胆汁の生成」という重要な3つの働きがあります。

代謝は、私たちが食べて胃や腸で吸収された栄養素を分解し、体の各部位が使いやすいように、さまざまな物質に再合成することです。

解毒は、体内に入ってきたアルコールや体内で発生するアンモニアなどの有害物質を分解・無害化して、体外への排泄を促します。

胆汁の生成は、言葉のとおり胆汁という消化液を生成し、十二指腸へ送り出すことです。胆汁は、脂肪を分解するとともに、ビタミンAやEなどの脂溶性ビタミンの吸収に欠かせない消化液です。

このように肝臓は「体内の化学工場」と呼ばれるにふさわしい働きを担っているのです。

沈黙の臓器・肝臓の敵は不健康な生活習慣とウィルス

私たちの生命維持に大きな役割を果たしている肝臓ですが、非常に我慢強いのも大きな特徴のひとつ。幹細胞の一部が壊れても、他の細胞が壊れた細胞の働きをカバーするため、多少障害を起こしてもまったく症状は現れません。症状が現れたり自覚したいするようになったときには、すでに肝臓の大部分が病魔に侵されている状態なので、緊急入院を要する場合も少なくありません。このように本人が気付かないうちに静かに病状が進行し、本当に危険な状態に陥るまで悲鳴をあげないため、肝臓は「沈黙の臓器」ともいわれています。

肝臓の健康を脅かす原因は、大きく2つあります。そのひとつは、慢性的な過食やお酒の飲み過ぎなどの生活習慣の乱れ。もうひとつがウィルスの感染です。ウィルス性の肝臓病には、ウィルスの種類によってA型・B型・C型などがあり、突然症状が現れる急性肝炎は、ウィルスが原因で起こってきます。

大事に至る可能性もある肝臓病の進行とその流れ

慢性的な生活習慣の乱れが原因の肝臓病の場合、まず肝臓に脂肪が沈着し、その後、肝細胞が炎症を起こす肝炎が発症します。軽度の段階では、生活習慣を改善すれば自然治癒し、肝機能が改善する可能性が十分あります。ですが、そのまま不健全な生活を続けていくと病状が進行し、肝細胞が萎縮して硬くなる肝硬変、ついには肝臓がんにまで進行してしまいます。

ウィルスに感染した場合、急激に肝細胞が炎症を起こす急性肝炎を起こします。ウィルスの種類によって病状は異なり、A型ウィルスは、初期症状が激しいのが特徴。このA型よりも病状が緩やかなのがB型です。C型の場合、B型以上に緩やかな症状のため、感染に気付かず、10年以上たって初めて慢性肝炎を患っていることを知る人もいます。「精密検査をしてみたら肝臓がんだった」という人も少なくありません。

じつは、日本の肝臓がん患者の70%がC型ウィルスの感染から派生したものなのです。もちろんC型だけでなく、B型も肝炎から肝硬変、肝臓がんへと病状が進行する可能性があります。またA型とB型のウィルスは、極稀にですが、劇的な速度で肝細胞の破壊を繰り返して生命を脅かす、劇症肝炎を起こす場合もあります。

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