アザニンについて
アザニンは、免疫抑制剤として用いられる医薬品です。臓器移植後の拒絶反応抑制や、自己免疫疾患の治療に用いられます。有効成分はアザチオプリンです。
主成分
- アザチオプリン
分類
- 免疫抑制剤
- 代謝拮抗薬
効能・効果
- 下記の臓器移植における拒絶反応の抑制
- 腎移植
- 肝移植
- 心移植
- 肺移植
- 膵移植
- 小腸移植
- 下記の自己免疫疾患
- 治療抵抗性の活動性全身性エリテマトーデス(SLE)
- 治療抵抗性の活動性多発性筋炎、皮膚筋炎
- 治療抵抗性の活動性潰瘍性大腸炎
- 治療抵抗性の活動性クローン病
- 治療抵抗性の活動性慢性関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
- 再生不良性貧血
- 特発性血小板減少性紫斑病
- ベーチェット病(眼症状のある場合)
- ネフローゼ症候群(ステロイド依存性あるいはステロイド抵抗性を示す場合)
用法・用量
臓器移植における拒絶反応の抑制
- 通常、成人には、移植当日又は前日にアザチオプリンとして1~3mg/kgを1回経口投与し、以後、維持量として1日0.5~2mg/kgを1回経口投与します。
- 通常、小児には、移植当日又は前日にアザチオプリンとして1~3mg/kgを1回経口投与し、以後、維持量として1日1~2mg/kgを1回経口投与します。
- 年齢、症状、移植臓器の種類、併用薬などを考慮して適宜増減されます。
自己免疫疾患
- 通常、成人には、アザチオプリンとして1日50~100mgを1~2回に分けて経口投与します。
- 年齢、症状により適宜増減されますが、1日量として3mg/kgを超えない範囲で使用します。
共通
- 必ず医師の指示に従って服用してください。
- 飲み忘れた場合は、気づいた時点ですぐに1回分を服用してください。ただし、次の服用時間が近い場合は、忘れた分は服用せずに、次の服用時間に1回分を服用してください。2回分を一度に服用しないでください。
副作用
主な副作用として、以下のものが報告されています。
- 消化器症状:食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、口内炎
- 血液障害:白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血
- 肝機能障害:AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇、ビリルビン上昇
- 皮膚症状:発疹、かゆみ
- その他:発熱、脱毛、倦怠感、感染症(肺炎、帯状疱疹など)
重大な副作用として、以下のものが報告されています。
- 骨髄抑制:汎血球減少、重度の白血球減少、感染症の誘発・悪化
- 肝機能障害、黄疸
- 膵炎
- 重症感染症:ニューモシスチス肺炎、サイトメガロウイルス感染症、結核など
- 悪性腫瘍、リンパ増殖性疾患
- 間質性肺炎
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Lyell症候群)
- 腎機能障害
- 進行性多巣性白質脳症(PML)
その他
- アザニンは免疫抑制作用を持つため、感染症にかかりやすくなることがあります。感染症の兆候(発熱、咳、喉の痛み、倦怠感など)が現れた場合は、直ちに医師に連絡してください。
- 生ワクチン(麻疹ワクチン、風疹ワクチン、水痘ワクチン、おたふくかぜワクチン、ポリオ生ワクチン、BCGワクチンなど)の接種は避けてください。
- 紫外線に対する感受性が高まることがありますので、日光曝露を避け、日焼け止めを使用するなど注意してください。
- 妊娠可能な女性、授乳中の女性は、医師に相談してください。男性もパートナーへの影響について医師に相談してください。
- 定期的に血液検査や肝機能検査などが行われます。医師の指示に従い、必ず検査を受けてください。
- 他の薬剤との相互作用に注意が必要です。服用中の薬剤を医師または薬剤師に必ず伝えてください。特に、アロプリノール、メサラジン、サラゾスルファピリジンなどとの併用には注意が必要です。
注意事項
この情報はアザニンの一般的な情報であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
より詳しい情報が必要な場合は、添付文書をご確認いただくか、医師または薬剤師にご相談ください。