アタラックスは、抗ヒスタミン作用と鎮静作用を持つ医薬品で、かゆみや蕁麻疹などのアレルギー症状、神経症における不安・緊張・抑うつ、術前・術後の不安軽減、麻酔導入などに用いられます。有効成分はヒドロキシジン塩酸塩です。
主成分
- ヒドロキシジン塩酸塩
分類
- 抗ヒスタミン薬
- 精神安定剤(マイナートランキライザー)
効能・効果
- 皮膚科領域における症状
- 湿疹・皮膚炎
- そう痒症
- 蕁麻疹
- 精神神経科領域における症状
- 神経症における不安・緊張・抑うつ
- 麻酔領域における症状
- 術前・術後の不安軽減
- 麻酔導入
用法・用量
錠剤の場合
- 皮膚科領域、精神神経科領域: 通常、成人は1日量75~150mgを数回に分けて経口投与します。
- 麻酔領域:
- 術前・術後の不安軽減:通常、成人は1回量50~100mgを手術前夜または手術前に経口投与します。
- 麻酔導入:通常、成人は1回量50~100mgを麻酔導入時に経口投与します。
ドライシロップの場合
- 通常、1日量2~4mg/kg(ヒドロキシジン塩酸塩として)を数回に分けて経口投与します。
- 症状、年齢、体重により適宜増減されます。
シロップの場合
- 通常、1日量2~4mg/kg(ヒドロキシジン塩酸塩として)を数回に分けて経口投与します。
- 症状、年齢、体重により適宜増減されます。
いずれの剤形においても、必ず医師の指示に従って、定められた用法・用量を守って服用してください。自己判断で増減したり、服用を中止したりしないでください。
副作用
主な副作用として、以下のものが報告されています。
- 精神神経系: 眠気、倦怠感、ふらつき、めまい、頭痛、口渇
- 消化器: 吐き気、嘔吐、食欲不振、便秘
- 過敏症: 発疹、蕁麻疹、そう痒感
- その他: 排尿困難、視力調節障害
これらの症状が現れた場合は、医師または薬剤師に相談してください。
重大な副作用として、以下のものが報告されています。
- ショック、アナフィラキシー: 呼吸困難、血圧低下、意識消失、蕁麻疹、かゆみなどが現れることがあります。
- 悪性症候群(Syndrome malin): 発熱、意識障害、筋強剛、頻脈、血圧変動、発汗などが現れることがあります。
- QT延長、心室頻拍(Torsades de pointesを含む): 動悸、めまい、失神などが現れることがあります。特に基礎疾患(心疾患など)のある方や、他のQT延長を起こす可能性のある薬剤と併用している場合は注意が必要です。
- 肝機能障害、黄疸: 全身倦怠感、食欲不振、吐き気、発熱、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)などが現れることがあります。
- 血小板減少: 鼻血、歯ぐきの出血、青あざができやすいなどが現れることがあります。
- 痙攣: まれに痙攣が現れることがあります。
- ** Stevens-Johnson症候群(SJS)、中毒性表皮壊死融解症(TEN):** 高熱、皮膚や粘膜のただれ、水ぶくれなどが現れることがあります。
これらの重大な副作用はまれですが、初期症状に気づいたら直ちに医師の診察を受けてください。
その他
- 高齢者: 一般に高齢者は生理機能が低下しているため、低用量から投与を開始するなど注意が必要です。特に眠気やふらつきによる転倒のリスクが高まる可能性があります。
- 妊婦・産婦・授乳婦等: 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与されます。授乳中の女性には投与を避けることが望ましいですが、やむを得ず投与する場合には授乳を中止してください。
- 小児等: 小児に対する安全性は確立されていません。
- 相互作用: 他の抗ヒスタミン薬、中枢神経抑制薬(バルビツール酸誘導体、麻酔薬、オピオイド系鎮痛薬、アルコールなど)、モノアミン酸化酵素阻害剤、QT延長を起こす可能性のある薬剤との併用には注意が必要です。
- 運転・機械操作: 眠気や注意力・集中力・反射運動能力等の低下を引き起こすことがあるため、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作は避けてください。
- アルコール: アルコールとの併用は、中枢神経抑制作用を増強するおそれがあるため避けてください。
注意事項
- この情報はアタラックスの一般的な情報であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
- 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
- 服用中に気になる症状が現れた場合は、自己判断で中止せずに、速やかに医師または薬剤師に相談してください。
- 他の医療機関を受診する際や、新たに他の薬を服用する際には、必ずアタラックスを服用していることを医師または薬剤師に伝えてください。
- 直射日光を避け、湿気の少ない涼しい場所に保管してください。小児の手の届かない所に保管してください。
より詳しい情報が必要な場合は、添付文書をご確認いただくか、医師または薬剤師にご相談ください。