小青竜湯について
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)は、漢方薬の一種で、比較的体力があり、水っぽい鼻水やくしゃみ、咳などの症状を伴うかぜ、アレルギー性鼻炎、気管支炎、喘息などに用いられます。体内の余分な水分を取り除き、気管支を広げることでこれらの症状を改善すると考えられています。
主成分
小青竜湯は、以下の8種類の生薬から構成されています。
- 麻黄(マオウ): 発汗作用、鎮咳去痰作用、気管支拡張作用などがあります。
- 芍薬(シャクヤク): 鎮痛作用、鎮痙作用、止汗作用などがあります。
- 甘草(カンゾウ): 抗炎症作用、鎮咳作用、去痰作用、緩和作用などがあります。
- 乾姜(カンキョウ): 温中散寒作用、健胃作用などがあります。
- 細辛(サイシン): 発汗作用、鎮痛作用、去痰作用などがあります。
- 半夏(ハンゲ): 鎮吐作用、去痰作用、鎮咳作用などがあります。
- 桂皮(ケイヒ): 発汗解熱作用、鎮痛作用、健胃作用などがあります。
- 五味子(ゴミシ): 鎮咳作用、収斂作用、強壮作用などがあります。
これらの生薬が配合されることで、単独の生薬では得られない複合的な効果を発揮するとされています。
分類
- 漢方薬
- その他(医療用医薬品、一般用医薬品)
小青竜湯は、医療用医薬品としても、薬局やドラッグストアで一般用医薬品としても販売されています。
効能・効果
体力中等度又はやや虚弱で、うすい水様のたんを伴うせきや鼻水が出るものの次の諸症:
- 気管支炎
- 気管支喘息
- 鼻炎
- アレルギー性鼻炎
- むくみ
- 感冒
具体的には、以下のような症状の改善に用いられます。
- 鼻水: 透明で水っぽい鼻水が止まらない
- くしゃみ: 発作的に連続してくしゃみが出る
- 咳: 痰が少なく、ゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴を伴う咳
- 喘息: 発作性の呼吸困難
- アレルギー性鼻炎: 季節性や通年性のアレルギーによる鼻炎症状
- むくみ: 体の水分代謝が悪く、むくみやすい
用法・用量
医療用医薬品の場合:
- 通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前または食間に経口投与します。
- 年齢、体重、症状により適宜増減されます。
- 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
一般用医薬品の場合:
- 製品によって用法・用量が異なりますので、添付文書をよく読んでから服用してください。
- 一般的には、成人(15歳以上)1回1包(または定められた量)を1日2~3回、食前または食間に服用します。
- 年齢、体重、症状により適宜増減されます。
服用に際しての注意:
- 定められた用法・用量を守ってください。
- 小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
- 温かい湯に溶かして服用すると、より効果的な場合があります。
副作用
小青竜湯は比較的安全な漢方薬とされていますが、体質や症状によっては副作用が現れることがあります。主な副作用としては、以下のものが報告されています。
- 消化器症状: 胃部不快感、食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢など
- 過敏症: 発疹、かゆみなど
- 肝機能異常: まれにAST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、γ-GTPなどの上昇
- 偽アルドステロン症: まれに低カリウム血症、血圧上昇、むくみ、脱力感、手足のしびれなどが現れることがあります。これは、甘草に含まれる成分が原因となることがあります。
- ミオパチー: まれに脱力感、筋肉痛などが現れることがあります。
重大な副作用(頻度不明):
- 間質性肺炎: 発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれることがあります。
- 肝機能障害、黄疸: AST、ALT、ALP、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあります。
- 横紋筋融解症: 筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中のミオグロビン上昇があらわれることがあります。
- ショック、アナフィラキシー: 顔面潮紅、じんま疹、呼吸困難、血圧低下等があらわれることがあります。
上記のような症状が現れた場合には、直ちに服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
その他
- 使用上の注意:
- 次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。
- 体の虚弱な人、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人
- 高齢者
- 高血圧、心臓病、腎臓病、甲状腺機能障害の診断を受けた人
- 医師の治療を受けている人
- 妊婦又は妊娠していると思われる人、授乳中の人
- 薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人
- むくみのある人、排尿困難のある人
- 服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。
- 1ヶ月位服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。
- 長期連用する場合には、医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。
- 次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。
- 保管及び取扱い上の注意:
- 直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい所に保管してください。
- 小児の手の届かない所に保管してください。
- 他の容器に入れ替えないでください。(誤用の原因になったり品質が変わることがあります。)
- 使用期限を過ぎた製品は服用しないでください。
注意事項
この情報は小青竜湯の一般的な情報であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
より詳しい情報が必要な場合は、添付文書をご確認いただくか、医師または薬剤師にご相談ください。