防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)について
防已黄耆湯は、漢方処方の一つであり、むくみや関節の痛み、多汗症などに用いられる医薬品です。体力中等度以下で、疲れやすく、汗をかきやすい傾向がある、肥満ぎみの方に適しています。
主成分
防已黄耆湯は、以下の生薬を一定の割合で配合したものです。
- ボウイ(防已):6.0g
- オウギ(黄耆):5.0g
- ビャクジュツ(白朮):3.0g
- タイソウ(大棗):3.0g
- カンゾウ(甘草):1.5g
- ショウキョウ(生姜):1.0g
(上記は一般的な成人1日量に含まれる生薬の乾燥重量です。製品によって配合量が異なる場合があります。)
分類
- 漢方製剤
効能・効果
体力中等度以下で、疲れやすく、汗をかきやすい傾向があるものの次の諸症。
- 肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症
- 関節炎
- ネフローゼ
- 妊娠腎
- 乳汁分泌不全
これらの効能・効果は、防已黄耆湯が持つ利水作用、鎮痛作用、抗炎症作用、免疫調節作用などによってもたらされると考えられています。具体的には、体内の余分な水分を排出し、関節の炎症を抑え、痛みを和らげる効果、また、免疫機能を調整し、汗腺の働きを正常化する効果などが期待されます。
用法・用量
通常、成人には1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与します。
- 年齢、体重、症状により適宜増減されます。
- 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
- 顆粒剤やエキス剤の場合、製品によって用法・用量が異なる場合がありますので、添付文書をよく確認してください。
- 食前または食間に服用することで、胃腸への負担を軽減し、薬の吸収を助けると考えられています。
副作用
主な副作用として、以下のものが報告されています。
- 消化器症状:食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、下痢など
- 皮膚症状:発疹、発赤、かゆみなど
比較的まれですが、重大な副作用として以下のものが報告されています。
- 偽アルドステロン症:長期連用により、低カリウム血症、血圧上昇、むくみ、手足のしびれ、筋肉痛などが現れることがあります。これは、甘草に含まれる成分が原因となることがあります。
- ミオパチー:長期連用により、脱力感、筋肉痛などが現れることがあります。これも偽アルドステロン症と関連して起こることがあります。
- 肝機能障害:AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTPなどの上昇を伴う肝機能障害が現れることがあります。
- 間質性肺炎:発熱、咳嗽、息切れ、肺音の異常(捻髪音)などが現れることがあります。
これらの副作用が現れた場合は、直ちに服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。特に、長期連用する場合には、定期的な検査を受けることが推奨されます。
その他
- 体力中等度以下で、疲れやすく、汗をかきやすい傾向がある方に用いられます。ご自身の体質や症状が合っているか、医師や薬剤師に相談することが大切です。
- 他の漢方薬や西洋薬と併用する場合には、相互作用のリスクがあるため、必ず医師または薬剤師に相談してください。
- 妊娠中または授乳中の方、あるいは妊娠している可能性がある方は、服用前に医師に相談してください。
- 小児への投与については、医師または薬剤師の指示に従ってください。
- 直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい所に保管してください。
- 小児の手の届かない所に保管してください。
- 誤用を避け、品質を保持するため、他の容器に入れ替えないでください。
- 使用期限を過ぎた製品は服用しないでください。
注意事項
この情報は防已黄耆湯の一般的な情報であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
より詳しい情報が必要な場合は、添付文書をご確認いただくか、医師または薬剤師にご相談ください。