桂枝加竜骨牡蛎湯

桂枝加竜骨牡蛎湯について

桂枝加竜骨牡蛎湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)は、漢方処方の一つであり、比較的体力がなく、神経過敏で疲れやすい方の、精神不安や不眠、夜尿症などに用いられます。体力中等度以下で、精神的に不安定な状態を改善する効果が期待できます。

主成分

桂枝加竜骨牡蛎湯は、以下の生薬から構成されています。

  1. 桂皮(ケイヒ): 3.0g
  2. 芍薬(シャクヤク): 3.0g
  3. 甘草(カンゾウ): 2.0g
  4. 生姜(ショウキョウ): 1.0g
  5. 大棗(タイソウ): 3.0g
  6. 竜骨(リュウコツ): 3.0g
  7. 牡蛎(ボレイ): 3.0g

(上記は一般的な成人1日量に含まれる生薬の分量です。製品によって配合量が異なる場合がありますので、添付文書をご確認ください。)

これらの生薬が相互に作用することで、心身のバランスを整え、神経の高ぶりを鎮めるなどの効果を発揮すると考えられています。

分類

  • 漢方薬

効能・効果

比較的体力がなく、神経過敏で疲れやすいものの次の諸症:

  • 神経症
  • 不眠症
  • 小児夜尿症
  • 夜驚症

具体的には、精神的な不安感、いらいら、動悸、寝つきが悪い、眠りが浅い、夜中に目を覚ます、夢をよく見る、子供の夜泣き、おねしょなどの症状に対して用いられます。

用法・用量

  • 成人:通常、1日7.5gを2~3回に分割し、食前または食間に経口投与します。
  • 小児:年齢、体重により適宜減量します。

(上記は一般的な用法・用量であり、製品によって異なる場合があります。必ず添付文書を確認するか、医師または薬剤師の指示に従ってください。)

漢方薬は、患者さんの体質や症状に合わせて用いることが重要です。自己判断で使用せず、専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談の上、適切な量を服用してください。

副作用

漢方薬も医薬品であるため、体質や症状によっては副作用が現れることがあります。主な副作用としては、以下のものが報告されています。

  • 消化器症状: 胃部不快感、食欲不振、吐き気、下痢など
  • 過敏症: 発疹、かゆみなど

まれに、以下のような重大な副作用が報告されることがあります。

  • 偽アルドステロン症: 長期間または大量に甘草を含む製剤を服用した場合に、低カリウム血症、血圧上昇、むくみ、手足のしびれ、筋肉痛などが現れることがあります。
  • ミオパチー: 長期間または大量に甘草を含む製剤を服用した場合に、脱力感、筋肉痛などが現れることがあります。
  • 肝機能障害: まれに、AST(GOT)、ALT(GPT)、ALPなどの上昇を伴う肝機能障害が現れることがあります。

これらの症状が現れた場合は、直ちに服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。

その他

  • 医師の治療を受けている場合は、服用前に必ず医師または薬剤師に相談してください。
  • 他の医薬品(特に利尿剤や甘草を含む製剤)との併用に注意が必要な場合があります。
  • 服用中または服用後に体調が悪くなった場合は、直ちに服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
  • 小児に服用させる場合は、保護者の指導監督のもとで服用させてください。
  • 直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい所に保管してください。
  • 小児の手の届かない所に保管してください。
  • 誤用を避け、品質を保持するため、他の容器に入れ替えないでください。
  • 使用期限を過ぎた製品は服用しないでください。

桂枝加竜骨牡蛎湯は、心身のバランスを整え、精神的な症状を穏やかにする効果が期待できる漢方薬ですが、その効果や副作用には個人差があります。使用する際は、専門家のアドバイスをしっかりと受け、自身の体質や症状に合った適切な使用を心がけてください。