真武湯

真武湯(しんぶとう)について

真武湯は、漢方薬の一種であり、身体を温め、水分代謝を改善する効果があるとされています。体力が低下し、冷えがあり、むくみやすい方などに用いられる処方です。

真武湯は、医療用医薬品として医療機関で処方されるほか、一般用医薬品としてもドラッグストアなどで購入することができます。ただし、配合されている生薬の種類や量、剤形などが異なる場合があります。以下は、主に医療用医薬品としての真武湯に関する情報に基づいて記載しています。

主成分

真武湯は、以下の4種類の生薬から構成されています。

  1. 附子(ぶし): トリカブトの根を加工した生薬で、体を温める作用、鎮痛作用、強心作用などがあるとされています。真武湯においては、特に体を温め、冷えによる諸症状を改善する重要な役割を担います。
  2. 茯苓(ぶくりょう): サルノコシカケ科のマツホドというキノコの菌核を乾燥させた生薬で、利尿作用、鎮静作用、健脾作用などがあるとされています。真武湯においては、余分な水分を排出し、むくみを改善する効果が期待されます。
  3. 白朮(びゃくじゅつ): キク科のオケラの根茎を乾燥させた生薬で、健脾作用、利尿作用、止瀉作用などがあるとされています。真武湯においては、胃腸の機能を整え、水分代謝を改善するのを助けると考えられています。
  4. 生姜(しょうきょう): ショウガの根茎を乾燥させた生薬で、体を温める作用、健胃作用、鎮吐作用などがあるとされています。真武湯においては、附子とともに体を温め、胃腸の働きを助ける役割があります。

これらの生薬が相互に作用することで、真武湯の効能・効果を発揮すると考えられています。

分類

  • 漢方製剤

効能・効果

体力虚弱で、冷えがあって、ときに下痢、めまい、動悸があり、小便の出にくいものの次の諸症:

  • 腎炎
  • ネフローゼ
  • 心不全
  • 低血圧
  • 陰萎
  • 夜尿症
  • 関節炎
  • 老人性そう痒症

上記は、医療用医薬品としての真武湯の一般的な効能・効果です。一般用医薬品の真武湯では、効能・効果が異なる場合がありますので、製品の添付文書をよく確認してください。真武湯は、特に「冷え」と「水分の偏り」が関与する症状に対して用いられることが多い漢方薬です。

用法・用量

  • 通常、成人には1日7.5gを2~3回に分割し、食前または食間に経口投与します。
  • 年齢、体重、症状により適宜増減されます。
  • 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
  • 漢方薬は、お湯に溶かして温めて服用すると、より効果的であるとされる場合があります。しかし、製品によってはそのまま服用することも可能ですので、医師または薬剤師の指示に従ってください。

副作用

漢方薬は一般的に副作用が少ないとされていますが、体質や症状によっては副作用が現れることがあります。真武湯の主な副作用としては、以下のものが報告されています。

  • 消化器症状: 胃部不快感、食欲不振、悪心、嘔吐、下痢など
  • 過敏症: 発疹、かゆみなど

また、真武湯に含まれる附子(ブシ)には、微量ながらアコニチンなどの有毒成分が含まれています。そのため、誤った用法・用量で使用した場合や、体質によっては、動悸、のぼせ、舌のしびれ、悪心、嘔吐などの副作用が現れる可能性があります。これらの症状が現れた場合は、直ちに服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。

特に、以下の点に注意が必要です。

  • 高齢者: 一般的に生理機能が低下しているため、慎重な投与が必要です。
  • 心臓疾患、腎臓疾患のある患者: 症状が悪化するおそれがあります。
  • 甲状腺機能亢進症の患者: 動悸、のぼせなどが悪化するおそれがあります。
  • 他の医薬品との相互作用: 他の医薬品との併用により、予期せぬ影響が現れる可能性があります。特に、強心薬や利尿薬との併用には注意が必要です。

その他

  • 真武湯は、体力が低下し、冷えがある方の症状改善に用いられる漢方薬です。ご自身の体質や症状が合っているかどうかは、医師または薬剤師に相談して判断することが重要です。
  • 漢方薬の効果には個人差があります。服用しても症状の改善が見られない場合は、医師または薬剤師に相談してください。
  • 長期間服用する場合は、定期的に医師または薬剤師に相談し、経過を観察してもらうようにしましょう。
  • 小児、妊婦または妊娠している可能性のある女性、授乳中の女性への投与については、医師または薬剤師に相談してください。

注意事項

この情報は真武湯の一般的な情報であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。

必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。

より詳しい情報が必要な場合は、医療用医薬品の添付文書をご確認いただくか、医師または薬剤師にご相談ください。一般用医薬品の真武湯については、製品の添付文書をよくお読みください。