六君子湯(リックンシトウ)について
六君子湯は、漢方処方の一つであり、胃腸の機能低下、食欲不振、消化不良、嘔吐などを伴う様々な症状の改善に用いられます。体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいといった傾向のある方に適しています。
主成分
六君子湯は、以下の6つの生薬から構成されています。
- 人参(ニンジン): オタネニンジンの根で、滋養強壮作用、健胃作用、抗疲労作用などがあります。消化機能を高め、体力を補う重要な生薬です。
- 白朮(ビャクジュツ): オケラの根茎で、利水作用、健脾作用、止瀉作用などがあります。胃腸の水分代謝を改善し、消化不良や下痢を改善します。
- 茯苓(ブクリョウ): マツホドの菌核で、利水作用、健脾作用、鎮静作用などがあります。余分な水分を排出し、胃腸の働きを助け、精神安定にも寄与します。
- 半夏(ハンゲ): カラスビシャクの塊茎で、鎮吐作用、去痰作用、健胃作用などがあります。吐き気や嘔吐を抑え、胃の不快感を和らげます。
- 陳皮(チンピ): ミカンの成熟した果皮で、健胃作用、理気作用、去痰作用などがあります。胃腸の働きを整え、気の巡りを良くし、胸腹部のつかえ感を改善します。
- 甘草(カンゾウ): ウラルカンゾウなどの根やストロンで、鎮痛作用、抗炎症作用、緩和作用などがあります。他の生薬の作用を調和し、全体的な効果を高めます。
分類
- 漢方製剤
効能・効果
体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいものの次の諸症:
- 胃炎、胃アトニー
- 消化不良
- 食欲不振
- 嘔吐
用法・用量
通常、成人には1日7.5gを2~3回に分割し、食前または食間に経口投与します。
- 年齢、体重、症状により適宜増減されます。
- 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
- 顆粒剤や細粒剤の場合、そのまま水またはお湯で服用するか、お湯に溶かして服用します。
副作用
漢方薬は一般的に副作用が少ないとされていますが、体質や症状によっては以下のような副作用が現れることがあります。
- 消化器系: 胃部不快感、腹部膨満感、下痢、便秘、食欲不振など
- 皮膚: 発疹、かゆみなど
- その他: まれに、偽アルドステロン症(低カリウム血症、血圧上昇、浮腫など)、ミオパチー(脱力感、筋肉痛など)が現れることがあります。これは、甘草に含まれる成分によるものです。長期連用する場合には注意が必要です。
重大な副作用
- 偽アルドステロン症: 低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加などの症状が現れることがあります。長期連用により起こりやすいとされています。
- ミオパチー: 低カリウム血症の結果として、脱力感、筋肉痛などが現れることがあります。
上記のような症状が現れた場合には、直ちに服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
その他
- 医師の治療を受けている人や、他の医薬品を服用している人は、服用前に医師または薬剤師に相談してください。
- 妊娠または授乳中の女性は、服用前に医師または薬剤師に相談してください。
- 小児への投与は、慎重に行う必要があります。医師または薬剤師の指示に従ってください。
- 服用後、症状が悪化した場合や、1ヶ月程度服用しても症状の改善が見られない場合は、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
- 直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい所に保管してください。
- 小児の手の届かない所に保管してください。
- 誤用を避け、品質を保持するため、他の容器に入れ替えないでください。
注意事項
- この情報は六君子湯の一般的な情報であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
- 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
- より詳しい情報が必要な場合は、添付文書をご確認いただくか、医師または薬剤師にご相談ください。