荊芥連翹湯

荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)について

荊芥連翹湯は、日本で経験的に用いられてきた漢方薬の一つです。皮膚の色が浅黒く、比較的体力があり、鼻づまり、蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性扁桃炎、にきびなどがみられる方によく用いられます。炎症を鎮め、膿を排出し、鼻や皮膚の状態を改善する効果が期待できます。

主成分

荊芥連翹湯は、以下の16種類の生薬から構成されています。

  1. 荊芥(ケイガイ): 発汗、解熱、鎮痛作用があるとされ、皮膚病や風邪の初期症状などに用いられます。
  2. 連翹(レンギョウ): 消炎、排膿、解毒作用があるとされ、化膿性の皮膚疾患や炎症性の疾患に用いられます。
  3. 黄芩(オウゴン): 消炎、解熱、止血作用があるとされ、炎症性の疾患や出血を伴う症状に用いられます。
  4. 黄連(オウレン): 消炎、解熱、抗菌作用があるとされ、炎症性の疾患や胃腸症状に用いられます。
  5. 山梔子(サンシシ): 消炎、利尿、止血作用があるとされ、炎症性の疾患や精神不安などに用いられます。
  6. 芍薬(シャクヤク): 鎮痛、鎮痙、収斂作用があるとされ、筋肉の痛みやこり、出血を伴う症状に用いられます。
  7. 当帰(トウキ): 補血、活血、鎮痛作用があるとされ、血行不良や婦人科系の疾患に用いられます。
  8. 川芎(センキュウ): 駆瘀血、鎮痛、鎮静作用があるとされ、血行不良や頭痛などに用いられます。
  9. 防風(ボウフウ): 発汗、鎮痛、鎮痙作用があるとされ、風邪の初期症状や皮膚病に用いられます。
  10. 桔梗(キキョウ): 去痰、排膿作用があるとされ、喉の痛みや咳、化膿性の疾患に用いられます。
  11. 石膏(セッコウ): 清熱、瀉火作用があるとされ、高熱や炎症性の疾患に用いられます。
  12. 薄荷(ハッカ): 発汗、解熱、鎮痛、鎮痒作用があるとされ、風邪の初期症状や皮膚のかゆみに用いられます。
  13. 甘草(カンゾウ): 鎮痛、抗炎症、去痰、緩和作用などがあり、多くの漢方薬に配合されています。
  14. 大黄(ダイオウ): 瀉下作用があり、便秘の改善に用いられます。
  15. 芒硝(ボウショウ): 瀉下、消炎作用があり、便秘や腫れなどに用いられます。(配合されていない製品もあります)
  16. 木通(モクツウ): 利水、通経作用があるとされ、むくみや排尿困難に用いられます。(配合されていない製品もあります)

製品によって配合される生薬の種類や量に若干の違いがある場合があります。

分類

  • 漢方薬
  • 排膿・清熱・駆瘀血薬

効能・効果

比較的体力があり、皮膚の色が浅黒いものの次の諸症:

  • 鼻づまり
  • 蓄膿症(副鼻腔炎)
  • 慢性扁桃炎
  • にきび

これらの症状は、炎症や膿の蓄積、血行不良などが関与していると考えられ、荊芥連翹湯はこれらの状態を改善する効果が期待されます。

用法・用量

  • 通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与します。
  • 年齢、体重、症状により適宜増減されます。
  • 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
  • お湯に溶かして服用することもできます。

副作用

比較的安全な漢方薬とされていますが、体質や症状によっては副作用が現れることがあります。主な副作用としては、以下のものが報告されています。

  • 消化器系: 胃部不快感、食欲不振、軟便、下痢など
  • 皮膚: 発疹、発赤、かゆみなど
  • 肝臓: まれに肝機能異常が現れることがあります。定期的な検査が必要となる場合があります。
  • その他: まれに全身倦怠感などが現れることがあります。

重大な副作用としては、現在のところ頻度は低いものの、偽アルドステロン症(低カリウム血症、血圧上昇、むくみなど)、ミオパチー(筋肉の脱力感、痛みなど)、肝機能障害、黄疸などが報告されています。これらの症状が現れた場合は、直ちに服用を中止し、医師の診察を受けてください。

甘草が含まれているため、他の甘草含有製剤との併用には注意が必要です。

その他

  • 妊娠または授乳中の方、あるいは妊娠している可能性のある方は、服用前に医師または薬剤師に相談してください。
  • 他の医薬品(西洋薬、漢方薬、サプリメントなど)を服用している場合は、医師または薬剤師に飲み合わせについて相談してください。
  • 小児への投与は、医師または薬剤師の指導のもと、慎重に行う必要があります。
  • 服用しても症状の改善が見られない場合や、悪化する場合には、医師または薬剤師に相談してください。
  • 直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい所に保管してください。
  • 小児の手の届かない所に保管してください。
  • 誤用を避け、品質を保持するため、他の容器に入れ替えないでください。

注意事項

この情報は荊芥連翹湯の一般的な情報であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。体質や症状によって効果や副作用の現れ方が異なる場合があります。

必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。

より詳しい情報が必要な場合は、添付文書をご確認いただくか、医師または薬剤師にご相談ください。