清上防風湯について
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)は、比較的体力があり、顔面や頭部に炎症性の症状が出やすい方に用いられる漢方薬です。ニキビ、顔面・頭部の湿疹・皮膚炎、赤ら顔などに効果があるとされています。複数の生薬を組み合わせることで、体の熱や炎症を鎮め、皮膚の状態を改善する働きがあります。
主成分
清上防風湯は、以下の10種類の生薬から構成されています。
- 防風(ボウフウ): 発汗、鎮痛、解熱作用があり、皮膚表面の炎症を鎮める効果が期待されます。
- 黄芩(オウゴン): 抗炎症、抗菌、解熱作用があり、皮膚の炎症を抑えるのに役立ちます。
- 桔梗(キキョウ): 排膿、去痰作用があり、化膿性の皮膚疾患や喉の炎症を改善する効果が期待されます。
- 石膏(セッコウ): 解熱、鎮静作用があり、体の熱を冷まし、炎症を鎮めるのに役立ちます。
- 芒硝(ボウショウ): 瀉下作用があり、便通を促し、体内の余分な熱を排出するのを助けます。
- 連翹(レンギョウ): 消炎、排膿、解毒作用があり、皮膚の炎症や化膿を抑える効果が期待されます。
- 荊芥(ケイガイ): 発汗、解熱、止血作用があり、皮膚の炎症を鎮めるのを助けます。
- 白芷(ビャクシ): 解熱、鎮痛、排膿作用があり、皮膚の炎症や痛みを和らげる効果が期待されます。
- 川芎(センキュウ): 駆瘀血、鎮痛、強壮作用があり、血行を促進し、痛みを和らげるのに役立ちます。
- 甘草(カンゾウ)**: 抗炎症、鎮痛、鎮咳作用があり、炎症を抑え、痛みを和らげる効果や、他の生薬の作用を調和させる働きがあります。
これらの生薬が相互に作用することで、清上防風湯は効果を発揮します。
分類
- 漢方製剤
効能・効果
比較的体力があり、顔面あるいは頭部の皮膚疾患で、赤み、熱感、腫れ、痛みなどを伴うものの次の諸症:
- ニキビ
- 吹出物
- 顔面・頭部の湿疹・皮膚炎
- あから顔
用法・用量
- 通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与します。
- 年齢、体重、症状により適宜増減されます。
- 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
- 顆粒剤や錠剤など、剤形によって用法・用量が異なる場合がありますので、指示された用法・用量を守ってください。
- 食前または食間とは、食事の約30分前または食事と食事の間の空腹時を指します。
副作用
清上防風湯は比較的安全な漢方薬とされていますが、体質や症状によっては副作用が現れることがあります。主な副作用としては、以下のものが報告されています。
- 消化器症状: 胃部不快感、食欲不振、吐き気、下痢などが現れることがあります。これらの症状が現れた場合は、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
- 皮膚症状: 発疹、かゆみなどが現れることがあります。これらの症状が現れた場合は、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
- 肝機能異常: まれに、AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、γ-GTPなどの肝機能検査値の上昇が報告されています。定期的な検査が必要となる場合があります。
- 偽アルドステロン症: まれに、低カリウム血症、血圧上昇、浮腫、手足のしびれなどが現れることがあります。これは、甘草に含まれる成分が原因となることがあります。異常を感じた場合は、直ちに服用を中止し、医師の診察を受けてください。
- ミオパチー: まれに、脱力感、筋肉痛などが現れることがあります。これも、甘草に含まれる成分が原因となることがあります。異常を感じた場合は、直ちに服用を中止し、医師の診察を受けてください。
上記以外にも、予期しない症状が現れることがあります。服用中にいつもと違う症状を感じた場合は、速やかに医師または薬剤師に相談してください。
その他
- 体力: 比較的体力がある人に用いられます。虚弱体質の人は、他の漢方薬が適している場合があります。
- 症状: 顔面や頭部の炎症性の症状、特に赤みや熱感を伴う場合に適しています。
- 併用薬: 他の医薬品や漢方薬との飲み合わせに注意が必要な場合があります。特に、甘草を含む製剤との併用は、偽アルドステロン症のリスクを高める可能性があります。服用中の薬がある場合は、必ず医師または薬剤師に伝えてください。
- 妊娠・授乳: 妊娠中または授乳中の方、あるいは妊娠している可能性のある方は、服用前に医師または薬剤師に相談してください。
- 小児: 小児への投与は、慎重に行う必要があります。医師または薬剤師の指示に従ってください。
- 保管: 直射日光を避け、湿気の少ない涼しい場所に保管してください。小児の手の届かない所に保管してください。
注意事項
- この情報は清上防風湯の一般的な情報であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
- 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
- より詳しい情報が必要な場合は、添付文書をご確認いただくか、医師または薬剤師にご相談ください。