柴胡清肝湯(サイコセイカントウ)について
柴胡清肝湯は、比較的体力があり、神経過敏で怒りやすい、いらいらするといった精神症状を伴う方の、にきび、湿疹・皮膚炎、顔面・頭部の熱感、目の充血、便秘などの症状に用いられる漢方薬です。複数の生薬を組み合わせることで、心身のバランスを整え、炎症を鎮め、熱を取り除くなどの効果を発揮すると考えられています。
主成分(構成生薬)
柴胡清肝湯は、一般的に以下の11種類の生薬から構成されています。配合量は製品によって若干異なる場合があります。
- サイコ(柴胡): 解熱、鎮痛、抗炎症作用、肝機能改善作用などが期待されます。
- オウゴン(黄芩): 抗炎症作用、抗菌作用、解熱作用などがあります。
- キキョウ(桔梗): 排膿作用、鎮咳去痰作用などが期待されます。
- ボウフウ(防風): 発汗、鎮痛、抗炎症作用などがあるとされます。
- レンギョウ(連翹): 消炎、排膿、解毒作用などが期待されます。
- オウヒ(黄柏): 抗菌作用、抗炎症作用、苦味健胃作用などがあります。
- サンシシ(山梔子): 消炎、利尿、止血作用などがあるとされます。
- セッコウ(石膏): 解熱、鎮静作用などが期待されます。
- ダイオウ(大黄): 瀉下作用があり、便秘の改善に用いられます。
- カンゾウ(甘草)**: 抗炎症作用、鎮痛作用、鎮咳作用、肝機能保護作用など、多くの作用があります。
- ショウキョウ(生姜)**: 健胃作用、発汗作用、体を温める作用などがあります。
分類
- 漢方製剤
効能・効果
比較的体力があり、神経過敏で怒りやすい、いらいらする傾向のあるものの次の諸症:
- にきび
- 湿疹・皮膚炎
- 顔面・頭部の熱感
- 目の充血
- 便秘
用法・用量
- 通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前または食間に経口投与します。
- 年齢、体重、症状により適宜増減されます。
- 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
- 製品によっては、1回あたりの服用量や回数が異なる場合がありますので、添付文書をよく確認してください。
- 顆粒剤や細粒剤の場合は、そのまま水または白湯で服用するか、溶かして服用します。錠剤の場合は、水または白湯で服用します。
副作用
主な副作用として、以下のものが報告されています。
- 消化器: 食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢など
- 皮膚: 発疹、発赤、かゆみなど
- その他: 眠気、めまい、動悸など
まれに、下記のような重大な副作用が現れることがあります。
- 偽アルドステロン症: 低カリウム血症、血圧上昇、むくみ、体重増加などの症状が現れることがあります。長期連用により起こりやすいとされています。
- ミオパチー: 筋肉痛、脱力感、手足の麻痺などが現れることがあります。偽アルドステロン症に伴って現れることがあります。
- 肝機能障害: 全身倦怠感、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、食欲不振などが現れることがあります。
- 腸間膜静脈硬化症: 長期服用により、腹痛、下痢、便秘、腹部膨満などが繰り返し現れることがあります。
上記のような症状が現れた場合には、直ちに服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
その他
- 体力: 比較的体力のある方に用いられます。
- 精神神経症状: 神経過敏、怒りやすい、いらいらするなどの精神症状を伴う場合に適しています。
- 便秘: 便秘傾向のある方に用いられることがあります。
- 長期連用: 長期連用する場合には、定期的に医師または薬剤師に相談することが推奨されます。特に高齢者や、他の薬剤を服用している場合は注意が必要です。
- 相互作用: 他の薬剤との相互作用については、医師または薬剤師に相談してください。特に、甘草を含む製剤や、利尿剤、降圧剤などとの併用には注意が必要です。
- 妊娠・授乳: 妊娠中または授乳中の方、あるいは妊娠している可能性のある方は、服用前に医師または薬剤師に相談してください。
- 小児: 小児への投与については、医師または薬剤師の指示に従ってください。
- 保管: 直射日光を避け、湿気の少ない涼しい場所に保管してください。小児の手の届かない所に保管してください。
注意事項
- この情報は柴胡清肝湯の一般的な情報であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。体質や症状によっては、他の漢方薬がより適している場合もあります。
- 必ず医師または薬剤師の診断・指導のもとで服用してください。
- 自己判断で服用したり、用量を変更したり、服用を中止したりしないでください。
- 服用前に必ず添付文書をよく読んでください。
- 服用中に気になる症状が現れた場合は、速やかに医師または薬剤師に相談してください。
より詳しい情報や、個々の状態に合わせた適切な使用方法については、医師または薬剤師にご相談ください。