六味丸

六味丸(ロクミガン)について

六味丸は、中国の宋の時代の医学書「小児薬証直訣(しょうにやくしょうじきけつ)」に収載されている漢方薬です。体力の低下、疲れやすさ、ほてり、のぼせ、排尿異常など、加齢に伴う様々な症状の改善に用いられます。6種類の生薬から構成されており、穏やかな作用で体全体のバランスを整えると考えられています。

主成分

六味丸は、以下の6種類の生薬から構成されています。

  1. ジオウ(地黄): アカヤジオウの根を乾燥させたもので、滋養強壮作用、造血作用、止血作用、利尿作用などがあるとされています。体内の潤いを補い、腎機能を高める重要な生薬です。
  2. サンシュユ(山茱萸): サンシュユの果実から種を取り除いて乾燥させたもので、収斂作用、止汗作用、止瀉作用、補腎作用などがあるとされています。精力を補い、頻尿や遺精などを改善する効果が期待されます。
  3. サンヤク(山薬): ナガイモの根茎を乾燥させたもので、滋養強壮作用、消化機能調整作用、止瀉作用、補脾作用などがあるとされています。胃腸を丈夫にし、食欲不振や下痢などを改善する効果が期待されます。
  4. タクシャ(沢瀉): サジオモダカの塊茎を乾燥させたもので、利水作用、瀉下作用などがあるとされています。体内の余分な水分を排出し、むくみや排尿異常を改善する効果が期待されます。
  5. ブクリョウ(茯苓): マツホドの菌核を乾燥させたもので、利水作用、健脾作用、鎮静作用などがあるとされています。体内の水分代謝を改善し、めまいや動悸、不安などを和らげる効果が期待されます。
  6. ボタンピ(牡丹皮): ボタンの根皮を乾燥させたもので、清熱作用、涼血作用、活血化瘀作用などがあるとされています。体内の熱を冷まし、炎症を抑える効果や、血行を促進する効果が期待されます。

これらの6種類の生薬が、それぞれの作用を補い合い、複合的に効果を発揮すると考えられています。

分類

  • 漢方製剤

効能・効果

比較的体力がなく、疲れやすくて、ときに手足のほてりや口の渇きがあるものの次の諸症:

  • 疲れやすい
  • 顔のほてり
  • のぼせ
  • 口の渇き
  • 排尿困難
  • 夜間多尿
  • かすみ目
  • むくみ
  • 頻尿
  • インポテンス

これらの症状は、加齢や体質により、腎の機能が低下することで 나타나는と考えられています。六味丸は、腎の機能を補い、体内の水分代謝を整えることで、これらの症状を改善する効果が期待されます。

用法・用量

  • 成人:通常、1日7.5gを2~3回に分割し、食前または食間に経口投与します。
  • 年齢、体重、症状により適宜増減されます。
  • 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
  • 顆粒剤や錠剤など、様々な剤形がありますので、指示された剤形・用法・用量を守ってください。

副作用

六味丸は比較的安全な漢方薬とされていますが、体質や症状によっては副作用が現れることがあります。主な副作用として、以下のものが報告されています。

  • 消化器症状: 胃部不快感、食欲不振、下痢、軟便など。これらの症状は、胃腸が弱い方に現れやすいとされています。
  • 過敏症: 発疹、かゆみなど。体質によっては、まれにアレルギー反応として皮膚症状が現れることがあります。

重大な副作用は、現在のところ比較的まれであるとされていますが、もし異常を感じた場合は直ちに服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。

その他

  • 高齢者: 一般的に高齢者は生理機能が低下しているため、慎重に投与する必要があります。医師または薬剤師の指示に従い、少量から開始するなど、状態を観察しながら服用することが重要です。
  • 妊婦・授乳婦: 妊娠または授乳中の女性への投与については、医師または薬剤師に相談してください。安全性が確立されていない場合があります。
  • 他の薬剤との併用: 他の医薬品や漢方薬と併用する場合には、相互作用のリスクがないか医師または薬剤師に相談してください。特に、利尿作用のある薬剤との併用には注意が必要です。
  • 長期服用: 長期間服用する場合は、定期的に医師または薬剤師に相談し、体調の変化などを確認してもらうようにしましょう。
  • 効果が現れない場合: 1ヶ月程度服用しても症状の改善が見られない場合は、医師または薬剤師に相談してください。他の治療法を検討する必要があるかもしれません。
  • 保管方法: 直射日光を避け、湿気の少ない涼しい場所に保管してください。小児の手の届かない場所に保管してください。

注意事項

    • この情報は六味丸の一般的な情報であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。体質や症状によって効果や副作用の現れ方は異なります。
    • 必ず医師または薬剤師の診断を受け、指示に従って服用してください。自己判断での服用は危険を伴う場合があります。
    • より詳しい情報が必要な場合は、添付文書をご確認いただくか、医師または薬剤師にご相談ください。