竹筎温胆湯（チクジョウンタントウ）について
竹筎温胆湯は、漢方処方の一つであり、精神的な不安や不眠、神経症、更年期障害など、様々な心身の不調に用いられます。体力中等度以下で、神経過敏で、気分がふさいで、動悸、めまい、吐き気などを伴う方に適しています。
主成分
竹筎温胆湯は、以下の生薬を組み合わせたものです。
- 竹筎（チクジョ）: イネ科のメダケなどの茎の皮を乾燥させたもの。鎮静作用、鎮吐作用、清熱作用があるとされます。
- 半夏（ハンゲ）: サトイモ科のカラスビシャクのコルク層を除いた塊茎。鎮咳去痰作用、鎮吐作用、健胃作用があるとされます。
- 茯苓（ブクリョウ）: サルノコシカケ科のマツホドの菌核。利水作用、健脾作用、鎮静作用があるとされます。
- 陳皮（チンピ）: ミカン科のウンシュウミカンの成熟した果皮。理気作用、健脾作用、燥湿化痰作用があるとされます。
- 枳実（キジツ）: ミカン科のダイダイなどの未熟な果実。破気作用、化痰作用、消積作用があるとされます。
- 甘草（カンゾウ）: マメ科のウラルカンゾウなどの根やストロン。緩和作用、鎮痛作用、抗炎症作用、去痰作用などがあるとされます。
これらの生薬が、それぞれの薬理作用を発揮し、複合的に効果をもたらすとされています。
分類
- 漢方薬
効能・効果
体力中等度以下で、神経過敏で、気分がふさいで、動悸、めまい、吐き気などを伴うものの次の諸症。
- 神経症
- 不眠症
- 更年期神経症
- 胃炎
- 高血圧症
- 動脈硬化症
主に、精神的な不安定さや、それに伴う身体症状（動悸、めまい、吐き気など）を改善する目的で使用されます。また、胃腸の不調や高血圧、動脈硬化に伴う神経症状にも応用されることがあります。
用法・用量
- 通常、成人には1日7.5gを2～3回に分割し、食前または食間に経口投与します。
- 年齢、体重、症状により適宜増減されます。
- 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
- 顆粒剤や錠剤など、製剤によって服用方法が異なる場合がありますので、指示に従ってください。
- 煎じ薬の場合は、指示された方法で煎じて服用します。
副作用
漢方薬は一般的に副作用が少ないとされていますが、体質や症状によっては以下のような副作用が現れることがあります。
- 消化器系: 胃部不快感、食欲不振、吐き気、下痢など
- 過敏症: 発疹、かゆみなど
まれに、以下のような比較的重い副作用が報告されることがあります。
- 肝機能障害: AST（GOT）、ALT（GPT）、ALP、γ-GTPなどの上昇
- 偽アルドステロン症: 低カリウム血症、血圧上昇、むくみ、手足のだるさ、しびれなどが現れることがあります。これは、甘草に含まれる成分が影響することがあります。
- ミオパチー: 手足のだるさ、脱力感、筋肉痛などが現れることがあります。これも、甘草に含まれる成分が影響することがあります。
これらの症状が現れた場合は、直ちに服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
その他
- 竹筎温胆湯は、証（しょう）と呼ばれる患者さんの体質や症状の現れ方に基づいて処方される漢方薬です。そのため、自己判断で使用せず、必ず医師や漢方専門の医療従事者の診断を受けてから服用することが重要です。
- 他の医薬品や漢方薬と併用する場合には、相互作用のリスクがあるため、必ず医師または薬剤師に相談してください。
- 妊娠中または授乳中の方、あるいは妊娠している可能性がある方は、医師に相談してください。
- 小児への投与については、医師または薬剤師の指示に従ってください。
- 長期間服用する場合には、定期的に医師または薬剤師に相談し、経過を観察してもらうようにしましょう。
- 直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい所に保管してください。
- 小児の手の届かない所に保管してください。
注意事項
この情報は竹筎温胆湯の一般的な情報であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
より詳しい情報が必要な場合は、添付文書をご確認いただくか、医師または薬剤師にご相談ください。漢方薬は、個人の体質や症状に合わせて処方されるため、専門家のアドバイスが不可欠です。