柴朴湯(サイボクトウ)について
柴朴湯は、漢方薬の一種であり、複数の生薬を組み合わせることで、心身のバランスを整え、様々な症状の改善に用いられます。比較的に体力中等度以下で、気分がふさぎ、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う方の、気管支喘息、咳、不安神経症、神経性食道狭窄症、慢性咽喉炎などに効果があるとされています。
主成分
柴朴湯は、以下の8種類の生薬から構成されています。
- 半夏(ハンゲ): 鎮吐作用、鎮咳作用、去痰作用などがあります。吐き気、嘔吐、咳、痰などに用いられます。
- 厚朴(コウボク): 健胃作用、鎮痙作用、理気作用などがあります。腹部の張り、消化不良、不安感などに用いられます。
- 茯苓(ブクリョウ): 利水作用、鎮静作用などがあります。むくみ、めまい、不安、不眠などに用いられます。
- 蘇葉(ソヨウ): 発散作用、理気作用などがあります。気分がふさぐ、食欲不振、吐き気などに用いられます。
- 生姜(ショウキョウ): 健胃作用、温中作用、鎮吐作用などがあります。体を温める、吐き気、食欲不振などに用いられます。
- 人参(ニンジン): 滋養強壮作用、健胃作用などがあります。体力の低下、食欲不振、疲労感などに用いられます。
- 甘草(カンゾウ): 抗炎症作用、鎮痙作用、緩和作用などがあります。様々な炎症や痛みを和らげる効果があります。
- 大棗(タイソウ): 緩和作用、滋養作用などがあります。精神安定作用や体力を補う効果があります。
これらの生薬が、それぞれの作用を発揮することで、柴朴湯としての効果をもたらします。
分類
- 漢方薬
効能・効果
比較的体力中等度以下で、気分がふさぎ、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴うものの次の諸症:
- 気管支喘息
- 咳
- 不安神経症
- 神経性食道狭窄症
- 慢性咽喉炎
上記は一般的な効能・効果であり、医療機関や製品によって若干異なる場合があります。必ず医師または薬剤師の指示に従ってください。
用法・用量
- 通常、成人には1日7.5gを2~3回に分割し、食前または食間に経口投与します。
- 年齢、体重、症状により適宜増減されます。
- 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
- 顆粒剤やエキス剤など、剤形によって用法・用量が異なる場合があります。製品の添付文書をよく確認してください。
副作用
漢方薬は一般的に副作用が少ないとされていますが、体質や症状によっては以下のような副作用が現れることがあります。
- 消化器症状: 胃部不快感、食欲不振、吐き気、下痢など
- 過敏症: 発疹、かゆみなど
- 肝機能異常: まれにAST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、γ-GTPなどの上昇
- 偽アルドステロン症: まれに低カリウム血症、血圧上昇、浮腫、脱力感、手足のしびれなどが現れることがあります。これは、甘草に含まれるグリチルリチン酸が原因となることがあります。長期連用により現れやすいため、注意が必要です。
- ミオパチー: まれに脱力感、筋肉痛などが現れることがあります。偽アルドステロン症に伴って現れることがあります。
これらの副作用が現れた場合や、その他気になる症状が現れた場合は、直ちに服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。特に、偽アルドステロン症やミオパチーの初期症状には注意が必要です。
その他
- 柴朴湯は、体質や症状に合わせて処方される漢方薬です。自己判断で使用せず、必ず医師の診断を受けてください。
- 他の医薬品や漢方薬と併用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。
- 妊娠中または授乳中の方、あるいは妊娠している可能性がある方は、必ず医師に相談してください。
- 小児への投与については、医師または薬剤師の指示に従ってください。
- 服用しても症状の改善が見られない場合は、医師または薬剤師に相談してください。
- 直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい所に保管してください。
- 小児の手の届かない所に保管してください。
注意事項
- この情報は柴朴湯の一般的な情報であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
- 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
- より詳しい情報が必要な場合は、製品の添付文書をご確認いただくか、医師または薬剤師にご相談ください。