大建中湯

大建中湯について

大建中湯(だいけんちゅうとう)は、漢方処方の一つであり、主に消化器系の症状改善に用いられます。体力中等度以下で、腹が冷えて痛み、便秘する傾向のある方の、腹痛、腹部膨満感、便秘などに効果があるとされています。

主成分

大建中湯は、以下の4つの生薬から構成されています。

  1. 人参(ニンジン): オタネニンジンの根を乾燥させたもので、滋養強壮、健胃、整腸作用などがあるとされています。体力低下を改善し、胃腸の働きを助ける役割を担います。
  2. 山椒(サンショウ): サンショウの果皮を乾燥させたもので、体を温める作用や鎮痛作用、消化促進作用などがあるとされています。腹部の冷えによる痛みを和らげ、消化機能を高める効果が期待されます。
  3. 乾姜(カンキョウ): ショウガの根茎を蒸して乾燥させたもので、体を温める作用が強く、胃腸を温めて機能を改善する効果があるとされています。冷えによる腹痛や下痢を改善するのに用いられます。
  4. 膠飴(コウイ): 米や麦などのデンプンを糖化した水飴で、緩和な甘味があり、胃腸を潤し、痛みを和らげる効果があるとされています。他の生薬の刺激を緩和し、全体として穏やかな作用にする役割も果たします。

分類

  • 漢方製剤

効能・効果

体力中等度以下で、腹が冷えて痛み、便秘する傾向のあるものの次の諸症

  • 腹痛
  • 腹部膨満感
  • 便秘

具体的には、冷え症で腹痛があり、お腹が張って便が出にくいといった症状の方に用いられます。手術後の腸管麻痺や、慢性的な便秘、冷えによる腹部の不快感などに用いられることがあります。

用法・用量

  • 通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与します。
  • 年齢、体重、症状により適宜増減されます。
  • 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
  • 漢方薬は、お湯に溶かして服用すると吸収が良くなる場合があります。

副作用

漢方薬は一般的に副作用が少ないとされていますが、体質や症状によっては以下のような副作用が現れることがあります。

  • 消化器系: 軟便、下痢、胃部不快感、食欲不振など
  • 皮膚: 発疹、発赤、かゆみなど

重大な副作用としては、まれに以下のようなものが報告されています。

  • 偽アルドステロン症: 長期間の服用により、低カリウム血症、血圧上昇、むくみ、手足のしびれ、筋肉痛などが現れることがあります。
  • ミオパチー: 低カリウム血症の結果として、筋肉の脱力感や痛みなどが現れることがあります。
  • 肝機能障害: まれに、AST(GOT)、ALT(GPT)、ALPなどの肝機能を示す値が上昇することがあります。

副作用が現れた場合は、直ちに服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。特に、長期間服用する場合は、定期的な検査を受けることが推奨されます。

その他

  • 大建中湯は、体質や症状に合わせて使用する漢方薬ですので、自己判断で使用せず、必ず医師や薬剤師に相談してください。
  • 他の医薬品や漢方薬と併用する場合には、相互作用の可能性がないか医師や薬剤師に確認してください。
  • 妊娠中または授乳中の方、あるいは妊娠している可能性がある方は、医師に相談してください。
  • 小児への投与については、医師または薬剤師の指示に従ってください。
  • 直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい所に保管してください。
  • 小児の手の届かない所に保管してください。
  • 誤用を避け、品質を保持するため、他の容器に入れ替えないでください。
  • 1包を分割した残りを服用する場合には、袋の口を二重に折り返して保管し、2日以内に服用してください。
  • 本剤は天然物(生薬)を用いていますので、内容物の色調、味、においが多少異なることがあります。

注意事項

  • この情報は、大建中湯に関する一般的な情報であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
  • 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
  • より詳しい情報が必要な場合は、添付文書をご確認いただくか、医師または薬剤師にご相談ください。