アクトスについて
アクトスは、2型糖尿病の治療に用いられる経口血糖降下薬です。インスリン抵抗性を改善し、血糖値を下げる効果があります。
主成分
- ピオグリタゾン塩酸塩
分類
- チアゾリジン系血糖降下薬
効能・効果
- 2型糖尿病
ただし、以下のいずれかの状態にある場合に限ります。
- 食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない場合
- 食事療法・運動療法に加え、他の糖尿病用薬を使用しても十分な効果が得られない場合
用法・用量
- 通常、成人は1日1回15~30mgを朝食前または朝食後に経口投与します。
- 患者の状態により適宜増減されますが、1日45mgを超えないこととされています。
- 必ず医師の指示に従って服用してください。
副作用
主な副作用として、以下のものが報告されています。
- 浮腫(むくみ)
- 体重増加
- 低血糖(他の血糖降下薬との併用時)
- 肝機能異常(AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇など)
- 貧血
- 便秘
- 腹部膨満
- 吐き気
- 頭痛
- めまい
- 倦怠感
- 発疹
- そう痒感
重大な副作用として、以下のものが報告されています。
- 心不全:息切れ、動悸、むくみなどが現れることがあります。特に心疾患の既往歴のある方や、心不全のリスクのある方は注意が必要です。
- 肝機能障害、黄疸:倦怠感、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなるなどの症状が現れることがあります。
- 横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、手足のこわばり、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇などが現れることがあります。
- 低血糖:脱力感、強い空腹感、冷や汗、動悸、手足の震え、意識の低下などが現れることがあります。特にインスリン製剤やスルホニルウレア剤と併用している場合に起こりやすいです。
- 膀胱癌:海外の臨床試験において、ピオグリタゾンを長期間使用した患者さんで膀胱癌の発症リスクがわずかに上昇したとの報告があります。
- 間質性肺炎:咳、呼吸困難、発熱などが現れることがあります。
- 劇症肝炎
その他
- アクトスは、インスリンの分泌を促進する薬ではないため、インスリン分泌能が著しく低下している患者さんには効果が期待できません。
- 肝機能に重度の障害のある患者さんには原則として投与されません。
- 腎機能に高度な障害のある患者さんでは、慎重な投与が必要です。
- 妊娠中または妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与されます。
- 授乳中の女性には投与を避けることが原則とされています。やむを得ず投与する場合には授乳を中止してください。
- 高齢者は、生理機能が低下している場合があるため、慎重に投与する必要があります。
- 他の糖尿病用薬(特にインスリン製剤、スルホニルウレア剤)と併用する場合には、低血糖のリスクが高まる可能性があるため、医師の指示に従い、血糖値の変動に注意してください。
- 定期的に肝機能検査や血糖値の検査を受ける必要があります。
- 服用中に体重が急激に増加したり、むくみがひどくなったりした場合は、医師または薬剤師に相談してください。
注意事項
- この情報はアクトスの一般的な情報であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
- 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
- より詳しい情報が必要な場合は、添付文書をご確認いただくか、医師または薬剤師にご相談ください。