アストフィリン配合錠について
アストフィリン配合錠は、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患における気道閉塞症状を改善するために用いられる配合剤です。気管支を拡張する作用と、炎症を抑える作用を併せ持つことで、呼吸を楽にする効果が期待されます。
主成分
- ジプロフィリン
- dl-メチルエフェドリン塩酸塩
分類
- 気管支拡張配合剤
効能・効果
- 気管支喘息
- 喘息性(様)気管支炎
- 閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎、肺線維症、珪肺症、塵肺症)
これらの疾患に伴う呼吸困難、咳嗽、喘鳴、喀痰の改善に用いられます。
用法・用量
- 通常、成人は1回1錠を1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与します。
- 年齢、症状により適宜増減されます。
- 必ず医師の指示に従って服用してください。
- 飲み忘れに気づいた場合は、気づいた時点でできるだけ早く1回分を服用してください。ただし、次の服用時間が近い場合は服用をスキップし、次の時間に1回分を服用してください。2回分を一度に服用しないでください。
副作用
主な副作用として、以下のものが報告されています。
- 精神神経系: 動悸、不整脈、頭痛、めまい、不眠、神経過敏、振戦(手足の震え)、不安、焦燥感
- 消化器: 吐き気、嘔吐、食欲不振、腹痛、下痢
- 過敏症: 発疹、蕁麻疹、そう痒感
- その他: 口渇、排尿困難、発汗
重大な副作用として、頻度は不明ですが、以下のものが報告されています。
- ショック、アナフィラキシー: 呼吸困難、顔面蒼白、血圧低下、意識消失など
- 痙攣: 筋肉のつっぱりや震え、意識消失など
- 肝機能障害: 全身倦怠感、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、食欲不振など
- 横紋筋融解症: 筋肉痛、脱力感、手足のこわばり、赤褐色尿など
これらの症状が現れた場合は、直ちに服用を中止し、医師の診察を受けてください。
その他
- 高齢者: 一般的に生理機能が低下しているため、慎重に投与する必要があります。医師の指示に従い、少量から開始するなど、状態を観察しながら投与されます。
- 妊婦、産婦、授乳婦等: 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与されます。授乳中の女性には投与を避けることが望ましいですが、やむを得ず投与する場合には授乳を中止してください。
- 小児等: 小児等に対する安全性は確立されていません。
- 相互作用: 以下の薬剤との併用に注意が必要です。
- キサンチン誘導体(テオフィリン、アミノフィリンなど): 作用が増強され、副作用が現れやすくなることがあります。
- β-刺激薬(アドレナリン、イソプレナリンなど): 作用が増強され、不整脈や動悸などが現れやすくなることがあります。
- モノアミン酸化酵素阻害剤: 血圧上昇や不整脈などが現れることがあります。
- ハロタンなどの麻酔剤: 不整脈が現れることがあります。
- 交感神経刺激薬: 作用が増強され、不整脈や血圧上昇などが現れやすくなることがあります。
- β-遮断薬: 気管支拡張作用が減弱することがあります。
- マクロライド系抗生物質(エリスロマイシンなど)、キノロン系抗菌薬(シプロフロキサシンなど): ジプロフィリンの血中濃度が上昇し、副作用が現れやすくなることがあります。
- シメチジン: ジプロフィリンの血中濃度が上昇し、副作用が現れやすくなることがあります。
- フェニトイン、リファンピシン: ジプロフィリンの血中濃度が低下し、効果が減弱することがあります。
注意事項
- この情報はアストフィリン配合錠の一般的な情報であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
- 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
- 服用中に気になる症状が現れた場合は、自己判断で中止せずに、速やかに医師または薬剤師に相談してください。
- 他の医療機関を受診する際や、新たに他の薬を服用する際には、必ずアストフィリン配合錠を服用していることを医師または薬剤師に伝えてください。
- 定期的な診察を受け、医師の指示に従って治療を継続することが重要です。
- 小児の手の届かないところに保管してください。
- 直射日光を避け、湿気の少ない涼しい場所に保管してください。
より詳しい情報が必要な場合は、添付文書をご確認いただくか、医師または薬剤師にご相談ください。