アストミン

アストミンについて

アストミンは、主に咳を鎮める効果を持つ鎮咳去痰薬です。様々な原因による咳に対して用いられます。

主成分

  • ジプロフィリン
  • ジメモルファンリン酸塩

アストミンには、主に錠剤とシロップ剤がありますが、主成分は製剤によって異なる場合があります。一般的に「アストミン」という名称で処方される錠剤には、ジプロフィリンとジメモルファンリン酸塩が配合されています。ジプロフィリンは気管支拡張作用や抗炎症作用を示すと考えられており、気道を広げ呼吸を楽にすることで咳を鎮める効果が期待されます。一方、ジメモルファンリン酸塩は、脳の咳中枢に直接作用し、咳反射を抑制することで咳を鎮めます。

分類

  • 鎮咳去痰薬

ただし、配合されている主成分によって薬理作用が異なるため、より細かく分類すると、ジプロフィリンはキサンチン誘導体、ジメモルファンリン酸塩は非麻薬性中枢性鎮咳薬に分類されます。アストミンは、これらの異なる作用機序を持つ成分を組み合わせることで、多角的に咳を鎮めることを目指した配合剤と言えます。

効能・効果

アストミンは、主に以下の疾患や症状に伴う咳に対して効果を発揮します。

  • 感冒
  • 急性気管支炎
  • 慢性気管支炎
  • 百日咳
  • 肺結核
  • 気管支拡張症
  • 肺炎
  • 喘息

これらの疾患における咳は、気道の炎症や刺激、分泌物の増加、気管支の収縮など、様々な要因によって引き起こされます。アストミンに配合されているジプロフィリンは、気管支を拡張させることで空気の通りを良くし、炎症を抑えることで咳の原因となる刺激を軽減する可能性があります。また、ジメモルファンリン酸塩は、咳反射そのものを抑制することで、咳の頻度や激しさを和らげます。このように、アストミンは異なる作用を持つ成分の組み合わせによって、様々な原因による咳に対して総合的な効果を発揮することが期待されます。

用法・用量

アストミンの用法・用量は、通常、以下の通りです。

  • 錠剤の場合(アストミン配合錠): 通常、成人は1回1錠を1日3回経口投与します。
  • シロップ剤の場合(アストミンシロップ): 用法・用量は年齢や体重、症状によって異なります。医師または薬剤師の指示に従って服用してください。

年齢、症状、体重などによって適切な用量は異なるため、必ず医師の指示に従って服用することが重要です。自己判断で服用量を増やしたり、服用を中止したりしないでください。特にシロップ剤の場合は、年齢や体重に応じた正確な量を計量する必要があります。飲み忘れた場合は、気づいた時点でできるだけ早く1回分を服用してください。ただし、次の服用時間が近い場合は、忘れた分は服用せずに、次の服用時間に1回分だけ服用してください。2回分をまとめて服用することは絶対に避けてください。

副作用

アストミンの主な副作用として、以下のものが報告されています。

  • 消化器症状:吐き気、嘔吐、食欲不振、胃痛、便秘、下痢など
  • 精神神経系症状:眠気、めまい、頭痛、ふらつき、倦怠感、興奮、不眠など
  • 過敏症:発疹、かゆみなど
  • その他:動悸、口渇など

これらの副作用は比較的軽微なものが多いですが、症状が続く場合や悪化する場合は、速やかに医師または薬剤師に相談してください。

まれに、以下のような重大な副作用が報告されることがあります。

  • 呼吸抑制: 呼吸困難、息切れなどが現れることがあります。特に、呼吸機能が低下している患者さんや、他の呼吸抑制作用のある薬と併用している場合に注意が必要です。
  • 意識障害: 意識が朦朧としたり、昏睡状態に陥ったりすることがあります。
  • 痙攣: 手足の筋肉が急に収縮したり、全身がけいれんしたりすることがあります。
  • ショック、アナフィラキシー: 血圧低下、顔面蒼白、呼吸困難、蕁麻疹などが現れることがあります。

これらの重大な副作用は、初期症状に注意し、異常が認められた場合には直ちに服用を中止し、医師の診察を受けてください。

その他

  • アストミンは、緑内障や前立腺肥大のある患者さん、心疾患のある患者さん、高齢者など、特定の患者さんには慎重な投与が必要です。必ず医師に既往歴や合併症を伝え、指示に従ってください。
  • 妊娠中または授乳中の女性は、原則としてアストミンの服用を避けることが望ましいとされています。やむを得ず服用する場合には、医師に相談し、リスクとベネフィットを十分に考慮する必要があります。
  • 他の薬剤との相互作用に注意が必要です。特に、中枢神経抑制剤(睡眠薬、抗不安薬など)やアルコールとの併用は、眠気やふらつきを増強する可能性があります。服用中の薬剤がある場合は、必ず医師または薬剤師に伝えてください。
  • 小児への投与は、年齢や体重に応じて適切な用量を守る必要があります。自己判断で投与したり、成人の用量をそのまま与えたりしないでください。
  • アストミンを服用しても症状が改善しない場合や、悪化する場合には、医師に相談してください。

注意事項

  • この情報はアストミンの一般的な情報であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
  • 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
  • より詳しい情報が必要な場合は、添付文書をご確認いただくか、医師または薬剤師にご相談ください。