アストモリジン配合錠について
アストモリジン配合錠は、消化器系の運動を改善し、機能異常に伴う症状を緩和する目的で使用される配合薬です。主に、胃腸の機能が低下している状態や、それに関連する不快な症状に対して用いられます。
主成分
アストモリジン配合錠は、以下の2つの有効成分を含んでいます。
- トリメブチンマレイン酸塩: 消化管運動調律作用を持ち、消化管の蠕動運動を正常化する働きがあります。具体的には、運動が低下している部分には促進的に、逆に亢進している部分には抑制的に作用し、消化管全体の運動バランスを整えます。これにより、腹痛や腹部膨満感、便秘、下痢などの症状を改善します。
- ジメチコン: 消泡作用を持つ成分で、胃腸管内の過剰なガスを分散させ、泡を取り除く効果があります。これにより、腹部膨満感や鼓腸といった症状を軽減します。
分類
- 消化性潰瘍治療剤(トリメブチンマレイン酸塩)
- 胃腸機能調整剤(トリメブチンマレイン酸塩)
- 消化器官用薬、消泡剤(ジメチコン)
これら2つの成分が配合されているため、アストモリジン配合錠は、消化管運動の調整と、消化管内のガス除去という2つの側面から消化器症状の改善に寄与する薬剤と言えます。
効能・効果
アストモリジン配合錠は、主に以下の状態における消化器症状の改善に用いられます。
- 過敏性腸症候群(IBS): 腹痛、腹部不快感、便秘、下痢などの症状が慢性的に続く疾患に対して、消化管運動を調整し、これらの症状を緩和します。
- 慢性胃炎に伴う消化器症状(腹部膨満感、腹痛、食欲不振など): 胃の運動機能が低下している場合や、炎症による不快な症状に対して、胃の運動を改善し、症状を和らげます。
- 機能性ディスペプシア: 胃もたれ、早期満腹感、心窩部痛など、器質的な異常が見られないにもかかわらず、慢性的に胃の不快な症状が続く状態に対して、胃の運動を改善することで症状の軽減を図ります。
このように、アストモリジン配合錠は、消化管の運動異常や過剰なガスが原因となる様々な消化器症状に対して、その効果を発揮します。
用法・用量
通常、成人は1回1錠を1日3回、食前または食後に経口投与します。
- 食前投与: 食事による消化管の運動変化を考慮し、より効果的に薬剤を作用させることを目的とする場合があります。
- 食後投与: 胃腸への刺激を軽減することを目的とする場合があります。
いずれの場合も、患者さんの症状や年齢、体重などによって、医師の判断により用量が調整されることがあります。自己判断で服用量を変更したり、服用を中止したりせず、必ず医師または薬剤師の指示に従ってください。飲み忘れた場合は、気づいた時点でできるだけ早く1回分を服用しますが、次の服用時間が近い場合は、忘れた分は服用せずに、次の服用時間に1回分を服用してください。2回分をまとめて服用することは絶対に避けてください。
副作用
アストモリジン配合錠は、比較的副作用の少ない薬剤とされていますが、まれに以下のような症状が現れることがあります。
- 消化器症状: 腹痛、下痢、便秘、吐き気、嘔吐、口渇などが報告されています。これらの症状が現れた場合は、医師または薬剤師に相談してください。
- 過敏症: 発疹、かゆみなどの過敏症状が現れることがあります。このような症状が現れた場合は、直ちに服用を中止し、医師の診察を受けてください。
- 肝機能異常: まれに、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPなどの肝機能を示す値が上昇することがあります。定期的な検査などで異常が認められた場合は、医師に報告してください。
- その他: めまい、ふらつき、頭痛などが報告されることがあります。これらの症状が現れた場合は、自動車の運転や危険な機械の操作は避けるようにしてください。
これらの副作用は、すべての方に現れるわけではありません。また、ここに記載されていない予期せぬ症状が現れる可能性もあります。服用中にいつもと違う症状を感じた場合は、速やかに医師または薬剤師に相談してください。
その他
- 高齢者への投与: 一般的に高齢者は生理機能が低下していることが多いため、慎重に投与する必要があります。医師の判断に基づき、より少量から投与を開始するなど、状態を観察しながら治療が進められます。
- 妊婦、産婦、授乳婦等への投与: 妊娠中の女性や授乳中の女性に対する安全性は確立していません。医師は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断した場合にのみ投与を検討します。必ず医師に妊娠または授乳中であることを伝えてください。
- 小児等への投与: 小児等に対する安全性は確立していません。医師の判断に基づき、慎重に投与されます。
- 他の薬剤との相互作用: アストモリジン配合錠と他の薬剤との相互作用については、現在のところ特に注意すべき報告はありませんが、他の薬剤を服用している場合は、必ず医師または薬剤師にその旨を伝えてください。
注意事項
- この情報はアストモリジン配合錠に関する一般的な情報であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
- 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
- 自己判断で服用を中止したり、用量を変更したりすることは危険です。
- 服用中に気になる症状が現れた場合は、速やかに医師または薬剤師に相談してください。
- 他の医療機関を受診する際や、新たに他の薬を服用する際には、アストモリジン配合錠を服用していることを必ず医師または薬剤師に伝えてください。
- 直射日光を避け、湿気の少ない涼しい場所に保管してください。
- 小児の手の届かないところに保管してください。
より詳細な情報や、個々の患者さんに合わせた注意点については、医師または薬剤師にご確認ください。