アスベリンは、鎮咳去痰薬として用いられる医薬品です。主に、咳を鎮め、痰を出しやすくする効果があります。医療用医薬品として、錠剤や散剤、シロップ剤など様々な剤形が存在します。
主成分
アスベリンの主成分は、チペピジンヒベンズ酸塩です。
チペピジンヒベンズ酸塩は、中枢性の咳止め作用と、気管支拡張作用、粘液溶解作用、抗ヒスタミン作用などを有すると考えられています。これにより、様々な原因による咳を鎮め、痰の排出を促進する効果が期待されます。
分類
- 鎮咳去痰薬
効能・効果
アスベリンは、主に以下の症状の緩和に用いられます。
- 感冒、急性気管支炎、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺炎、百日咳
- 上気道炎(咽喉頭炎、鼻カタル)
これらの疾患に伴う咳や痰の症状を改善する効果が期待されます。
用法・用量
アスベリンの用法・用量は、患者さんの年齢、体重、症状によって異なります。医師の指示に従って、適切な量と回数で服用する必要があります。一般的な用法・用量は以下の通りです。
錠剤・散剤の場合(例:アスベリン錠10mg、アスベリン散10%)
- 成人: 通常、1回20mg(錠剤2錠または散剤2g)を1日3回経口投与します。
- 小児: 年齢、体重に応じて適宜減量されます。
- 3歳以上6歳未満:1回5~10mg(錠剤1/2~1錠または散剤0.5~1g)を1日3回
- 6歳以上15歳未満:1回10~20mg(錠剤1~2錠または散剤1~2g)を1日3回
シロップ剤の場合(例:アスベリンシロップ0.5%)
- 成人: 通常、1回10mL(チペピジンヒベンズ酸塩として5mg)を1日3回経口投与します。
- 小児: 年齢、体重に応じて適宜減量されます。
- 3ヶ月以上6ヶ月未満:1回1.5~3mLを1日3回
- 6ヶ月以上2歳未満:1回3~5mLを1日3回
- 2歳以上6歳未満:1回5~10mLを1日3回
- 6歳以上15歳未満:1回10~20mLを1日3回
重要な注意点
- 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
- 自己判断で服用量や回数を変更したり、服用を中止したりしないでください。
- 症状が改善しない場合や悪化する場合は、医師に相談してください。
副作用
アスベリンの主な副作用としては、以下のものが報告されています。
- 消化器症状: 吐き気、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、腹痛、下痢、便秘など
- 精神神経系症状: 眠気、めまい、頭痛、倦怠感など
- 過敏症: 発疹、かゆみなど
これらの症状が現れた場合は、速やかに医師または薬剤師に相談してください。
重大な副作用
重大な副作用としては、まれに以下のものが報告されています。
- ショック、アナフィラキシー: 呼吸困難、蕁麻疹、血管浮腫、血圧低下、意識消失など
- 中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(SJS): 高熱、皮膚や粘膜のただれ、水ぶくれ、目の充血など
- 肝機能障害: 全身倦怠感、食欲不振、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)など
これらの症状が現れた場合は、直ちに服用を中止し、医師の診察を受けてください。
その他
- アスベリンは、他の鎮咳去痰薬や抗ヒスタミン薬との併用に注意が必要な場合があります。必ず医師または薬剤師に服用中の薬を伝えてください。
- 眠気を催すことがあるため、服用後の自動車の運転や危険な機械の操作は避けるようにしてください。
- 小児に使用する場合には、保護者の指導監督のもとで使用してください。
- 高齢者は、生理機能が低下している場合があるため、慎重に投与する必要があります。
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性、授乳中の女性への投与については、医師または薬剤師に相談してください。
注意事項
この情報はアスベリンの一般的な情報であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
より詳しい情報が必要な場合は、添付文書をご確認いただくか、医師または薬剤師にご相談ください。