アダラートは、有効成分としてニフェジピンを含むカルシウム拮抗薬です。血管を拡張させる作用があり、高血圧症や狭心症などの治療に用いられます。徐放性製剤であるアダラートCR錠など、いくつかの剤形が存在します。ここでは、一般的なアダラート(速放性製剤)とアダラートCR錠について解説します。
主成分
- ニフェジピン
分類
- カルシウム拮抗薬
- 血管拡張薬
効能・効果
アダラート(速放性製剤)
- 高血圧症
- 狭心症
アダラートCR錠(徐放性製剤)
- 高血圧症
用法・用量
アダラート(速放性製剤)
- 通常、成人は1回10mgを1日3回経口投与します。
- 症状により適宜増減されます。
- 必ず医師の指示に従って服用してください。
アダラートCR錠(徐放性製剤)
- 通常、成人は1回20mgまたは40mgを1日1回経口投与します。
- 症状により適宜増減されますが、1日の最高投与量は80mgです。
- 必ず医師の指示に従って服用してください。
- 割ったり、砕いたりせずに、そのまま水またはぬるま湯で服用してください。
副作用
主な副作用として、以下のものが報告されています。
アダラート(速放性製剤)およびアダラートCR錠に共通する可能性のある副作用
- 循環器系:顔面潮紅、熱感、動悸、めまい、ふらつき、血圧低下、胸痛
- 精神神経系:頭痛、頭重感、倦怠感、不眠
- 消化器系:便秘、吐き気、嘔吐、食欲不振、腹痛
- 過敏症:発疹、かゆみ
- その他:浮腫(むくみ)、頻尿、鼻閉
アダラート(速放性製剤)で比較的多く報告される可能性のある副作用
- 急激な血圧低下に伴う症状(めまい、ふらつきなど)
アダラートCR錠で比較的多く報告される可能性のある副作用
- 徐々に効果が現れるため、急激な血圧低下は比較的少ないとされていますが、上記に加えて徐放性製剤特有の症状が現れる可能性も否定できません。
重大な副作用
まれに、以下の重大な副作用が報告されています。
- 過度の血圧低下: めまい、ふらつき、意識消失などを伴うことがあります。
- 心不全: 息切れ、呼吸困難、全身のむくみなどが現れることがあります。
- 肝機能障害、黄疸: 全身倦怠感、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなるなどが現れることがあります。
- 無顆粒球症、白血球減少、血小板減少: 発熱、のどの痛み、鼻血、歯ぐきの出血などが現れることがあります。
- 中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(SJS): 高熱、皮膚や粘膜の発疹・水疱、目の充血、唇のただれなどが現れることがあります。
これらの重大な副作用が現れた場合は、直ちに医師の診察を受けてください。
その他
- 高齢者は、生理機能が低下している場合があるため、慎重に投与する必要があります。
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与されます。
- 授乳中の女性には、投与を避けることが望ましいですが、やむを得ず投与する場合には授乳を中止してください。
- グレープフルーツジュースは、ニフェジピンの血中濃度を上昇させる可能性があるため、同時に摂取しないでください。
- 他の降圧薬や血管拡張薬との併用により、血圧が過度に低下するおそれがあります。
- β遮断薬との併用により、心不全が悪化するおそれがあります。
- ジゴキシンとの併用により、ジゴキシンの血中濃度が上昇するおそれがあります。
注意事項
- この情報はアダラートおよびアダラートCR錠の一般的な情報であり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
- 必ず医師または薬剤師の指示に従って服用してください。
- 服用中に気になる症状が現れた場合は、医師または薬剤師に相談してください。
- より詳しい情報が必要な場合は、アダラートまたはアダラートCR錠の添付文書をご確認いただくか、医師または薬剤師にご相談ください。