黄連解毒湯

黄連解毒湯は、漢方薬の一種であり、4種類の生薬（黄連（オウレン）、黄芩（オウゴン）、黄柏（オウバク）、山梔子（サンシシ））を組み合わせたものです。体力中等度以上の人で、比較的炎症が強く、のぼせ気味で顔色が赤く、いらいらしやすい方の様々な症状に用いられます。

黄連解毒湯は、以下の4種類の生薬から構成されています。

黄連（オウレン）: キンポウゲ科オウレン属の植物の根茎を乾燥させたものです。苦味があり、消炎、解熱、止瀉、止血などの作用があるとされています。成分としては、ベルベリン、コプトシンなどが含まれます。炎症を鎮め、熱を取り除く効果が期待されます。
黄芩（オウゴン）: シソ科コガネバナ属の植物の根を乾燥させたものです。苦味があり、解熱、消炎、止血、利尿などの作用があるとされています。成分としては、バイカリン、バイカレインなどが含まれます。炎症を鎮め、熱を取り除く効果が期待されます。
黄柏（オウバク）: ミカン科キハダ属の植物の樹皮を乾燥させたものです。苦味があり、消炎、抗菌、健胃、収斂などの作用があるとされています。成分としては、ベルベリンなどが含まれます。炎症を鎮め、熱を取り除く効果が期待されます。
山梔子（サンシシ）: アカネ科クチナシ属の植物の果実を乾燥させたものです。わずかに苦味があり、解熱、消炎、利胆、止血などの作用があるとされています。成分としては、ゲニポシドなどが含まれます。熱を取り除き、精神的なイライラを鎮める効果が期待されます。

これらの生薬は、それぞれの薬理作用が複合的に働くことで、黄連解毒湯としての効果を発揮すると考えられています。

体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色が赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの次の諸症：

比較的炎症が強く、熱感や興奮を伴う症状に用いられることが多いです。

黄連解毒湯は比較的安全な漢方薬とされていますが、体質や症状によっては副作用が現れることがあります。主な副作用としては、以下のものが報告されています。

まれに、重篤な副作用として以下のものが報告されています。

肝機能障害: 長期にわたる服用や、体質によっては肝機能が悪化することがあります。倦怠感、食欲不振、黄疸（皮膚や白目が黄色くなる）などの症状が現れた場合には、直ちに服用を中止し、医師の診察を受けてください。
偽アルドステロン症: まれに、血圧上昇、むくみ、体重増加、手足のしびれなどが現れることがあります。これは、甘草（カンゾウ）を含む他の漢方薬との併用で起こりやすいとされていますが、黄連解毒湯には甘草は含まれていません。しかし、念のため注意が必要です。
ミオパチー: まれに、脱力感、筋肉痛などが現れることがあります。

これらの副作用は、すべての人に現れるわけではありませんが、服用中に気になる症状が現れた場合は、自己判断で服用を中止せず、医師または薬剤師に相談してください。特に、高齢者や虚弱体質の方、他の薬剤を服用している方は、副作用のリスクが高まる可能性がありますので、注意が必要です。

黄連解毒湯は、証（しょう）と呼ばれる体質や症状の現れ方に基づいて処方される漢方薬です。したがって、自己判断で使用せず、必ず医師や漢方専門の薬剤師に相談し、適切な診断を受けた上で服用することが重要です。
服用前に、現在服用している他の医薬品（西洋薬、漢方薬、サプリメントなど）を医師または薬剤師に伝えるようにしてください。
妊娠中または授乳中の方、あるいは妊娠している可能性のある方は、服用前に必ず医師に相談してください。
小児への投与は、医師の判断に基づいて慎重に行う必要があります。
直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所に保管してください。
小児の手の届かない所に保管してください。
他の容器に入れ替えないでください（誤用の原因になったり品質が変わることがあります）。
使用期限を過ぎた製品は服用しないでください。